1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11780078
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
高橋 桂子 新潟大学, 教育人間科学部, 助教授 (50311668)
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Keywords | 国勢調査 / 女子労働 / 新潟 / 戦前 |
Research Abstract |
本年度の研究目的は,(1)『国勢調査』,『新潟県統計書』や『新潟県史』を用いて新潟県・新潟市に関するデータを収集する,(2)ヒアリング調査等から副業状況の実態を類推するためのヒントを得るなどであった。本年度は,基礎的資料を収集する年として位置付けていた。 目的(1)はスムーズに進行した。本学図書館に多くの『国勢調査』,『新潟県史』や『新潟市史』が所蔵されていた。ない場合には国会図書館・一橋大学図書館で収集可能であった。労働に関連した表・資料は可能な限りコピーしデータベース化した(例えば人口,年齢階級別労働力率,学歴との関係,年齢階級別にみた職業分布,労働時間など)。その他,戦前新潟の賃金データも収集できた。目的(1)から,新潟県全体と新潟市の年齢階級別労働力率の動向は異なり、県で台形型からM字型に移行する年より市のそれは20年以上早いこと,職業分布・学歴等が大きく違うことなども明らかになった。 他方,目的(2)のヒアリング調査は予備的に行ったものの,予想外に回答がマチマチで分散が大きかった。戦前新潟の女子労働の動向を概観するとき,少数の個別事例を収集するよりは大量調査から全体の趨勢を判断する方が目的に合致すると判断し,手法をヒアリング調査からアンケート調査に変更した。幸い,本学関係者から協力を得ることができた。新潟県内広範囲にわたって,これまでの人生において職業生活と家庭生活にどのように関わってきたか実施した。質問票は計4枚(A4)調査時期は2000年2月下旬,配布枚数は計778枚である。 調査分析に加えて,来年度は新聞記事に時間を割く予定である。『新潟新聞』,『新潟日報』などマイクロフィルムによる検索・収集は予想外に時間を要するが,当時の新聞記事を読むことによる思わぬ副産物もある。研究を活きたものとするためにも,数字だけからはわからない"温度"を掴むことができたらと考えている。
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