1999 Fiscal Year Annual Research Report
生活文化の東西交流:アール・ヌーヴォー様式におけるジャポニスムの研究
Project/Area Number |
11780085
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Research Institution | Bunka Women's University |
Principal Investigator |
高木 陽子 文化女子大学, 家政学部, 講師 (60307999)
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Keywords | ベルギー / アール・ヌーヴォー / ジャポニスム / 生活文化 |
Research Abstract |
ベルギー王立美術歴史博物館の日本部門は、540タイトル、約1000冊の江戸から明治初期に制作された写本・版本を収蔵している。それらの多くは19世紀末に日本の美術や工芸がヨーロッパ芸術に決定的な影響を与えていたジャポニスムの時代に収集された。同時代のベルギー前衛派アーティストたちが所有していた作品もふくまれている。 ところが、この古書コレクションには、十分なレフェランスを掲載した所蔵目録が存在せず、約1世紀の間、未整理のままの状態であった。未整理の資料は展示できないという点からも、書誌学的目録作成が長年強く望まれていた。 本課題は、このコレクションがアール・ヌーヴォー様式の具体的な発想の源となっていたことを証明しようとするものである。本年度は、その前段階として、コレクションの全体像を明らかにするために、現地において書誌学的な観点から整理分類をおこない、目録を制作した。 この所蔵目録では、写本・版本の、書名、巻冊、著者・編者、成立、刊行者・筆写者、旧蔵印、分類、ローマ字読み、注記を日本語で記述した。主要な参考文献にあたると共に、国文学研究資料館のデータベースにインターネットでアクセスして調査をすすめた。題簽や刊記が失われている作品については、持ち帰った写真資料を日本において比較検討し、書名等を確定する必要がある。 本年度の成果は、今後、日本での比較検討・校正をへて、ベルギーと日本で発表する予定である。
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