1999 Fiscal Year Annual Research Report
画像処理法による室内装備要因の色彩計画に関する実験的検討
Project/Area Number |
11780086
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Research Institution | Kyoto Notre Dame University |
Principal Investigator |
竹原 広実 京都ノートルダム女子大学, 文学部・生活文化学科, 専任講師 (20298706)
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Keywords | 画像処理 / SD法 / 住宅 / 空間知覚 |
Research Abstract |
同一の評価対象について2種の実験手法(CRT画像による呈示方法とスライドを投影したスクリーンによる呈示方法)により空間の知覚の対応を行うことによって、実験手法の検討を行う。そして既にスライドと実空間との対応が可能であることが既往研究より明らかとなっていることから、CRT画像とスライドとの対応を検討することにより、CRT画像が実空間に代えて空間の知覚が可能であるかどうかについて検証を試みる。 実験の方法は、住宅居間の装備要因の色彩を変化させた18の評価対象空間をCRT画像とスライドの2種の呈示方法により33名の被験者に呈示し、その空間から受けるイメージを7段階SD法により15対の形容詞対からなる評定項目について回答を求めた。 結果、まず評定項目についてイメージプロフィールを描いてCRT画像とスライドとの評価を比較したところ、空間の広さや明るさに影響すると考えられる<開放的な-閉鎖的な><明るい-暗い>の項目を含むすべての評定項目について空間イメージの捉える傾向について高い類似性が認められた。次に、2種の呈示方法でそれぞれSD得点をもとに因子分析を行って情緒的意味空問の最小の構成次元の検討を行った。その結果、いずれの呈示方法とも第一因子は<すっきりした-ごてごてした><居心地の良い-居心地の悪い><好感のもてる-好感のもてない>といった空間の質的な良さや快適感を表す項目を含む因子(Evaluation)が析出され、また第二因子は<活動的な-沈静的な><陽気な-陰気な><明るい-暗い>などの空間の快活さや明るさを表す項目を含む因子(Activity)が析出され、CRT画像、スライドとも同じ因子構造をもつことが認められた。また、因子分析をもとに算出された因子得点を用いてCRT画像とスライドとの相関を検討したところ、Evaluationでは相関係数が0.939、Activityでは0.869と高い相関を示した。 以上、CRTとスライドの空間の知覚についてその対応を検討した結果、両者の間には高い相関が認められ、CRT画像はスライドと同様に空間を知覚することができると判断される。また、既往研究より実空間を類推する手段としてスライドは十分耐えうるという報告がされていることからCRT画像と実空間の対応を行う必要はあるものの、CRT画像はスライド同様に実空間に近い空間知覚が可能であろうと予測される。
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