1999 Fiscal Year Annual Research Report
薄手柔軟布を用いた婦人服の外観の美しさ、布地の品質に関わる布物性の明確化
Project/Area Number |
11780087
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Research Institution | Kobe Women's University |
Principal Investigator |
中西 正恵 神戸女子大学, 家政学部, 助教授 (20248115)
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Keywords | 布の力学的性質 / 引張り特性 / 曲げ特性 / せん断特性 / 布の動き / ワンピースドレス / 婦人服の外観 / 薄手布 |
Research Abstract |
本年度は主として、婦人服の重要な本質的性能の一つである動作時の衣服の外観、布の動きの美しさに関わる布の力学的性質を明らかにする研究を以下のようにまとめた。 同一パターンで表素材のみ変化させて作製したルーズフィットなワンピースドレス25着を、歩行動作を模擬するマネキンに着せ、布の揺動(ゆれ、たなびき)の美しさについて成人女子40名がSD法により視覚評価をした。用いた布素材は、申請者らがすでに公表した布の力学的性質に基づいて布にとって最適なシルエットをテーラード、はり、ドレープタイプの3群に判別する方法を用いて、人体曲面に体型づけるテーラードタイプの布は除き、各種繊維素材を含み、力学特性を大きく異にする25種類を吟味して収集した。一方、これらの布の単位面積あたりの重量Wと、KES-FBシステムによる標準条件での曲げとせん断、婦人薄手布の高感度標準条件での引張特性、さらに着用時を想定して、より低荷重域での引張特性と、布の自重程度の低い引張荷重下での低せん断ひずみ条件でのせん断特性をKES-Labo Modelを改良して測定し、これらの力学的性質と視覚評価との関連を調べた。その結果、動作に伴う布の動きの美しさは、これまであまり重要視されなかった特に低荷重域での引張特性が比較的深く関与し、風合いの客観評価などに用いられている高感度標準条件での引張特性よりも、さらに低荷重(Fmax=10gf/cm)域での引張特性が密接に関わる傾向が認められた。また、曲げ特性の関与については曲げ弾性ポテンシャルは高いが、ドレープ性を合わせ持つ必要があり√^3<BS/W>(BSは曲率1cm^<-1>での曲げかたさ)が小さいことが動作に伴う布の動きの美しさを支配することが分折された。(Masae Nakanishi and Masako Niwa,"Fabric Mechanical Parameters Related to the Beauty of Fabric Movement of Ladies'Garments Brought About by Human Motion",Textile Res.J.,2000年2月投稿済み)。
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