1999 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者用食品の創製を目的とした混合ゲルの相分離構造制御
Project/Area Number |
11780090
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
藤井 恵子 山形大学, 教育学部, 助教授 (20186480)
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Keywords | 混合ゲル / 寒天 / ゼラチン / 二相分散構造 / 破断特性 / 破断応力 / 物性 |
Research Abstract |
1.目的 非相溶性素材からなる複合材料の物性は、組成のみならず二相分散構造にも依存することが知られている。本研究では、同一組成であっても二相分散構造の異なる寒天/ゼラチン混合ゲルを調製する方法を検討し、その物性と二相分散構造との関係について検討を加えた。 2.方法 試料の調製は、寒天濃度を2.8%(w/w)に設定し、これと破断応力が等しくなるようにゼラチンは10.4%(w/w)に設定した。寒天とゼラチンは10分間膨潤させ、その後寒天は98℃、ゼラチンは60℃で加熱容解させた。混合温度は、凝固したゲル状の寒天を撹拌混合する37℃、混合割合は、寒天:ゼラチンが、25:75、50:50、75:25とした。撹拌はスリーワンモータを用い、回転速度300rpmで撹拌した。撹拌時間は1分、3分、5分、10分とした。混合後、10℃の恒温器中で24時間冷却し、混合ゲル試料を得た。ゲルの相分離構造は平均線分長を算出し評価した。また得られたゲルの破断特性値を測定した。 3.結果 本研究で検討した調製方法で得られた混合ゲルは、いずれも連続相がゼラチンで分散相が寒天である海島構造を有していた。撹拌時間が長くなるに従い平均線分長は小さくなる傾向を示した。混合温度が異なると分散相の大きさに違いが見られ、高い温度で撹拌したほうが平均線分長は小さくなった。また寒天の混合比が大きくなるに従い、平均線分長は小さくなった。以上の結果から、保持温度と撹拌時間を変えることによって、二相分散構造の異なる混合ゲルを調製できることが確かめられた。破断応力と破断エネルギーは、平均線分長が大きくなるに従い顕著に低下した。このことから、同一組成であっても二相分散構造に依存して破断特性が変わることが明らかとなった。
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