1999 Fiscal Year Annual Research Report
冷凍卵豆腐のテクスチャー改善への糖および高圧力の利用
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11780092
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Research Institution | Okayama Prefectural University |
Principal Investigator |
寺本 あい 岡山県立大学, 保健福祉学部・栄養学科, 助手 (50275369)
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Keywords | 卵豆腐 / 冷凍 / テクスチャー / 糖類 / 塩類 / 高圧力 / 圧力移動凍結法 / クライオ走査電子顕微鏡 |
Research Abstract |
解凍後の食味、テクスチャーが良い冷凍卵豆腐(タンパク質ゲル状食品)を作るため最も効果的な糖・塩類の種類や添加条件および冷凍条件を検討した。 各種糖類(グルコース、トレハロース、スクロース、ソルビトール、マルチトール)および塩類(NaCl,KCl)を添加した添加した卵豆腐を作成し、食品高圧処理装置(神戸製鋼所製、Dr.Chef)を用いて、-20℃、0.1〜686MPaで90分間冷凍した後圧力解除し-30℃で1日保存した。20℃で自然解凍後の物性をクリープメータ(山電製)で測定し破断強度解析した。また、氷結晶とゲルの微細構造をクライオ-SEM(日立走査型電子顕微鏡、S-4500)で観察した。これらを未処理のまたは大気圧下のフリーザー中で-20℃、-30℃、-80℃で冷凍したものと比較した。 冷凍中試料中心部の温度変化を測定したところ、糖・塩類無添加ゲルでは200〜400MPaで冷凍したものは圧力保持中に過冷却を保ち、圧力解除時に圧力移動凍結法により急速凍結したことが分かった。グルコース、トレハロース、スクロース、ソルビトールおよびKC1添加ゲルでは200〜500MPa,マルチトール添加ゲルでは200〜400MPa、NaCl添加ゲルでは200〜600MPaで、圧力解除時に急速凍結した。このように、圧力移動凍結法により凍結した卵豆腐は、氷結晶が細かく、物性も良好であった。0.1、100MPaや大気圧下のフリーザー中で冷凍したもの、圧力保持中に凍結が完了したものは、圧力移動凍結法よりも凍結時間が長くかかったため、氷結晶が大で物性の悪化も大きかった。また、糖類の添加により、氷結晶、物性ともに改善された。一方、塩類を添加しても氷結晶の増大を抑えることは出来なかった。大気圧下のフリーザー中で冷凍したものでは、冷凍温度が下がるにしたがって急速凍結するため氷結晶は細かく、物性良好となった。
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