2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11780101
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Research Institution | College of Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
鈴野 弘子 東京農業大学短期大学部, 栄養学科, 講師 (00241191)
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Keywords | さつまいも葉 / モロヘイヤ / 酸価 / 過酸化物価 / クロロフィル / クッキー / 官能評価 / 品質評価 |
Research Abstract |
緑黄色野菜の簡便な摂取と未利用資源の有効利用を目的に、さつまいも葉添加クッキー(以下S添加クッキー)を調製し、その品質および嗜好特性、保存安定性について検討した結果、以下のようになった。 1.調製および嗜好面を考慮したS添加クッキーの最適な配合割合は、小麦粉196g、卵40g、無塩バター100g、グラニュー糖80g、さつまいも葉粉末4g(小麦粉に対して2%)であった。2.S添加クッキーの破断応力、破断ひずみの値は、無添加クッキーに比べて小であったため、さつまいも葉を添加することによって、ややもろくなることが認められた。3.分析型官能評価では、S添加クッキーは無添加に比べ、緑色が濃く、香りが強いと評価されたが、テクスチャー、味には有意な差は認められなかった。嗜好型では、S添加クッキーの緑色が好まれる評価であった。4.S添加クッキーを40℃の暗所で、調製直後から8ヵ月後まで保存し、品質を調べたところ、酸価は経時的にやや上昇したが、無添加クッキーと顕著な差は認められなかった。過酸化物価は、調製直後では試料間に差はないが、S添加クッキーおよび対照としたモロヘイヤ添加クッキー(以下M添加クッキー)は上昇率が高く、8ヵ月後には約2〜3倍の値となった。しかし、いずれのクッキーも酸価3、過酸化物価30以下であったため、食用とするには問題はなかった。調製直後のS添加クッキー100g中のクロロフィルa量は4.2mg、クロロフィルb量は2.9mg、総クロロフィル量は6.7mgであり、M添加クッキーより高い値であった。両者とも保存とともにクロロフィル量は減少傾向を示した。SおよびM添加クッキーの色調は、保存とともにa値が上昇し、緑色の退色が認められた。また、L値は、S添加クッキーがM添加クッキーより低くかった。なお、8ヵ月保存においても風味に変化はなかった。
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