小学生および中学生の数学に対する信念に関する研究

1999 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 11780115
• Research Institution: Fukuoka University of Education
• Principal Investigator: 清水 紀宏 福岡教育大学, 教育学部, 助教授 (50284451)
• Keywords: 信念 / 問題解決 / 小学生 / 中学生

Research Abstract

本研究の目的は、小学校高学年の児童および中学生用の数学に対する信念に関する基礎的研究を行うことと、数学に対する信念の測定用具を開発することである。
本年度は、信念に対する基礎的研究として、数学や数学の教授・学習に対する信念についての先行研究を収集し、信念に関する研究動向について検討した。数学教育における研究の資料は、研究論文、学位論文、単行本と非常に多岐にわたるが、本年度はERIC(Educational Resources Information Center)に登録されている研究論文および国内の全国的な学会誌を対象として基礎的な研究を行った。
結果として、以下の諸点が明らかになった。
1.数学教育あるいは数学学習を対象とした論文の中で、何らかの形で信念が取り扱われている研究論文が1966年から1999年3月までの期間において248件にのぼる。
2.採用されている研究方法が、理論的研究、信念を測定するための尺度を用いた数量的な研究、事例研究と非常に多岐にわたっている。
3.研究対象については、生徒の信念の研究から教師の信念の研究へ、また、一般的な信念の研究から特定の内容に依存した信念の研究へと関心が移行している傾向にある。
4.我が国においては、数学学習に影響を与える要因として信念が考慮されてはいるが、信念自体を主たる研究対象とした研究はほとんどなされていない。