1999 Fiscal Year Annual Research Report
教育用ニューラルネット・シミュレータの開発とその応用
Project/Area Number |
11780116
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
水田 智史 弘前大学, 理工学部, 助教授 (90250589)
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Keywords | ニューラルネット / シミュレータ / シュミュレーティドアニーリング / X Window / GUI / Tsallis統計 |
Research Abstract |
今年度は、Motifライブラリを用いて重み付きつなぎ合わせ間題、および巡回セールスマン間題に対するニューラルネットシミュレータを新たに作成し、教育用の計算機システムに実装して実際に授業に用いた。それまでは、式の上だけで理解していたニューラルネットの動作を、ダイナミカルに変化していくディスプレイ上の画面によって視覚的にとらえることができるようになり、より深い理解を得ることが可能となった。また、ソースの形で学生に提供しているので、学生白らパラメータを変化させて実行することも可能で、さらに興味をもたせるという効果もあるようである。 今後は、現時点ではそれぞれ独立しているプログラムを、既に作成済の連想記憶のシミュレータやコホーネンの特徴写像のシミュレータ等と共にひとつのプログラムに統合し、実行するシミュレータをメニューから選択できるように改良していく。さらに、ニューラルネットの状態そのものを視覚的に表現するだけではなく、コスト関数の値やニューロンの値の平均値等の統計量が時間的にどのように変化していくかを、リアルタイムにグラフによって表示するなどの機能を追加していく。 また、シミュレーティドアニーリングにおいては、一般にネットワークの状態をボルツマン分布に従って出現させるようなアルゴリズムを用いるのが普通であるが、ここ数年、Tsallis統計と呼ばれるより一般化された分布を用いる方法が注目されつつあるので、それを利用したアルゴリズムを取り入れて、最適解への収束速度等に関して従来の方法との比較を行うことも考慮している。
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