1999 Fiscal Year Annual Research Report
統合的知識表現を用いた仮想現実空間における分散協調学習環境構築に関する研究
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11780120
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
松居 辰則 電気通信大学, 大学院・情報システム学研究科, 助教授 (20247232)
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Keywords | 統合的知識表現 / 仮想現実空間 / 分散協調学習環境 / 探求学習環境 / 個別学習環境 / 知的学習支援システム / 学習者モデル / ポートフォリオ評価 |
Research Abstract |
本研究の目的は「仮想現実空間における統合学習環境の記述手法の開発とシステム構築」にある.ここでの統合学習環境とは,学習者の状態,目的に応じて,協調学習環境,個人学習環境,探求的学習環境などの多様な学習環境を動的かつシームレスに提供可能な学習環境を指す.この下で本研究の主な目的は次の3点である. (1)仮想現実空間における統合学習環境構築を目的とした多様な学習環境の統一的記述手法の提案 (2)学習者の行動管理・制御(ナビゲーション)を目的とした,学習環境個々に依存しない学習者の振る舞いに関する統合的知識表現の提案(グローバルな観点からの学習者モデリング) (3)VR技術を用いた『仮想教室』として統合学習環境の具現化と教育利用の可能性の評価 この『仮想教室』はVideoVR技術を用いたWWWベースのシステムとして,3-D空間で表現された仮想的な環境を提供する.また,システムは常に学習者の行動をモニタリングしており,学習者の「学習状態,学習目的,学習内容」に応じて適応的に,すなわち学習者にとって適切な学習形態を指向して学習環境・学習ツールを提供(ナビゲート)することにより,学習者の自己組織的な学習を適切に支援可能である.そして,システム構築の後,評価実験を実施し,統合学習環境に関して多角的に検証し,新しい学習観のもつ教育的意義を追求する. 平成11年度は上記の(1)(2)に関する研究を重点的に推進した.『仮想教室』では多様な学習環境・学習ツールを統一的な記述手法で統合し,シームレスに統合された学習環境の枠組み(統合学習環境)を実現した.具体的には,統合学習環境における多様な学習環境・学習ツールを学習者の「学習状態,学習目的,学習内容」から構成される3次元空間に位置づけ,学習形態を指向したオントロジー的アプローチにより統一的な記述を試みた.これにより,以下のことがほぼ現実可能となった. ・学習者の学習状態(現状),学習目的,学習内容に応じたシームレスかつ動的な学習環境の提供・移行 ・学習環境の移行に伴う,学習者の役割(個人,グループの一員,グループにおける役割など)の動的な割り当て ・統合学習環境下における学習者情報の管理,学習者制御(ナビゲーション)
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 松居 辰則: "仮想現実環境における行動抑制のための統合的知識表現"電子情報通信学会技術研究報告. ET98-99. 57-64 (1999)
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[Publications] 松居 辰則: "VODを利用した教師教育のための動画像検索手法"教育システム情報学会研究報告. Vol.98-2. 56-61 (1999)
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[Publications] 金田 克彦: "情報教育実践事例検索システムにおける学習活動モデルに基づく事例修正機構"電子情報通信学会研究報告. ET99-3. 15-22 (1999)
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[Publications] 関 一也: "インターネット上の遠隔教育モデルに基づいた教師研修システム"電子情報通信学会研究報告. ET99-9. 49-54 (1999)
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[Publications] 松居 辰則: "仮想現実感における統合的学習環境構築のための知識表現"情報処理学会第58回全国大会講演論文集. 345-346 (1999)