1999 Fiscal Year Annual Research Report
デジタルビデオを利用したマイクロティーチングシステムの開発
Project/Area Number |
11780126
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Research Institution | Naruto University of Education |
Principal Investigator |
島宗 理 鳴門教育大学, 学校教育研究センター, 助教授 (70274272)
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Keywords | 教授スキル / マイクロティーチング / ロールプレイ / デジタルビデオ / 即時強化 |
Research Abstract |
1.文献研究 学級経営や教授法について、教授スキルの訓練に関する論文を展望した。この結果、(1)授業妨害や離席を減らす教授スキルとして、積極的監督や事前修正法が、(2)子どものコミュニケーション能力を高める教授スキルとして、遅延プロンプト法や機会利用型教授法が有望であると分かった。 2.デジタルビデオシステムの調査 マイクロティーチングで上述の教授スキルを訓練するのに利用できるデジタルビデオシステムを調査し、模擬授業などを行なうことでテストを重ねた。その結果、カメラ一体型のDVでは、即時フィードバックに欠かせない瞬時のランダムアクセスが困難であり、パソコンと一体化したシステムが必要であると判明した。 3.現職教員の教授スキルの調査 地域の養護学校における授業を観察し、現職教員が上述の教授スキルを実際にどれだけ使っているか観察した。その結果、限られたサンプルからではあるが、教員は、児童・生徒の妨害行動を注目などで強化し、自発的なコミュニケーションを待たずに指示やヒントを出しがちであることが分かった。これは、現職教員にも上述の教授スキル訓練が必要であることを示す。現職教員へのインタビューの結果も同様で、彼らは、有効性が実証されている教授法を、日々の教業や指導に使えるようなレベルまで訓練されることを要望していた。 4.教職希望の学部生・大学院生の教授スキルの調査 教職を希望している学部生・大学院生を対象に、教員採用試験における面接や模擬授業対策の講習会を行い、ロールプレイ場面で、彼らのパフォーマンスを評価した。その結果、こうした場面で上述の教授スキルを測定するのは困難であり、むしろ、(1)自分の考えをまとめてから話す、(2)聞き取りやすい声の大きさとスピードで話すなど、コミュニケーションの基礎スキルの測定や訓練の方が適切であると考えられた。
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