1999 Fiscal Year Annual Research Report
項目反応モデルに基づいた次世代型テスト総合システムの開発
Project/Area Number |
11780127
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中村 知靖 九州大学, 大学院・人間環境学研究科, 助教授 (30251614)
|
Keywords | 項目反応理論 / 適応型テスト / コンピュータテスト / テスト理論 / コンピュータネツトワーク / World Wide Web |
Research Abstract |
本年度は,項目反応モデル解析システム並びに適応型テストシステムの基本部分に関する開発と次世代型テストシステムと関連のある統計的モデルに関する理論研究を中心に行った。 ・Webを利用した項目反応モデル解析システムの開発:pascalで作成されたパラメタ推定のための基本的エンジン部分をCGIによるWebで利用できるようにシステムを開発した。また,基本的なユーザインターフェースに関する設計並びに開発を行った。今後,試験運用の後,インターフェイスを改良する予定である。また,汎用性を高めたJavaによるシステムの開発や項目並びにテスト特性曲線グラフィカル表示システムの開発も予定している。 ・Webを利用した適応型テストの開発:過去に開発した適応型テストシステムが問題並びに選択肢ともテキスト中心のシステムであったため,このシステムを改良し,音声・画像・動画といったマルチメディア環境に対応させた。 ・中村(1999)では,テストシステムで利用される統計的モデルと深く関っている心理学の測定・評価領域に関するレビューを行った。特に,テストに関する研究で利用される因子分析,共分散構造分析,項目反応理論に焦点をあて議論した。最後に,コンピュータと測定領域との関連についても,最新情報を交えて紹介した。 ・Kazuo Shigemasu,Osamu Yoshimura,& Tomoyasu Nakamura(2000)では,多値データを扱う項目反応モデルに関しハイパーパラメタを導入したベイズ的モデルを提案し,さらにGibbs Samplerという数値計算法によるパラメタ推定法を示した。シミュレーションの結果,提案されたモデルが多値データに有効なモデルであるとともに,提案されたパラメタ推定法も精度の高い方法であることが示された。
|
-
[Publications] 中村知靖: "測定・評価に関する研究動向"教育心理学年報. 38. 105-119 (1999)
-
[Publications] Kazuo Shigemasu,Osamu Yoshimura,& Tomoyasu Nakamura: "Bayesian hierarchical analysis of polychotomous item responses."Behaviormetrika. 27(in press). (2000)