1999 Fiscal Year Annual Research Report
外国人なまりに対する日本人評価の社会心理学的・実践音声学的研究
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11780156
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小河原 義朗 東北大学, 文学部, 助手 (70302065)
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Keywords | 日本語音声教育 / 日本人評価 / 外国人なまり / 社会心理学的要因 / 評価意識 / 場面 / 寛容 / 非寛容 |
Research Abstract |
本年度は、まず日本人評価に影響を与えている社会心理学的な要因を明らかにするために、予備調査をもとに質問紙を作成し、習い始めたばかりの初級レベルか、中上級レベルかのみの条件差によって、一般の日本人(大学生)の、外国人の発音に対する評価がどのように変化するのか、そして、その変化に影響を与えている日本人の評価意識の特定を試みた。 その結果、評価に影響を与える要因としては、(1)外国人なまり受容態度(受け入れるべきだ)、(2)外国人なまりの限界(外国人なまりは仕方がない)、(3)偏見・努力回避(外国人は努力しようとしていない)、(4)場面別発音能力の必要性、(5)日本語特殊論(日本語は難しい)、(6)努力要請(努力すべきだ)の6つの因子が抽出された。そして、初・中上級を問わず、日本人評価は大きく「非寛容」と「寛容」に大別され、「寛容」さを規定している要因として上記(1)(2)(4)因子、「非寛容」さを規定している要因として(1)(マイナス)(3)(4)(6)因子が影響を与えており、それぞれレベルによる評価に大きな変化は見られなかった。 以上の結果は、今後の外国人なまりに対する日本人評価調査における日本人評価者の統制と、その結果の解釈に有益な示唆を与える点、さらに「寛容」「非寛容」に拘らず日本人は「場面別発音能力の必要性(公的場面での外国人なまりを許さない)」評価意識傾向のあることから、発音指導の際の情報としてだけでなく、場面の観点を取り入れた発音練習、教材作製の必要性を示唆している。
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