1999 Fiscal Year Annual Research Report
分類問題における混合分布モデルの研究-群数推定・数値的処理・ソフトウェアの実装-
Project/Area Number |
11780173
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Research Institution | Sapporo Gakuin University |
Principal Investigator |
中村 永友 札幌学院大学, 経済学部, 助教授 (70207900)
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Keywords | 混合分布モデル / プラズマ粒子速度分布 / Maxwell分布 |
Research Abstract |
人工衛星により観測されたプラズマ粒子速度データに対して混合分布モデルの適用を行い,成分数の推定や実用ソフトウェアの開発を行った. 人工衛星による磁気圏プラズマの観則的研究は,プラズマ粒子の速度分布のモーメント量(数密度,平均速度,温度)を用いた電磁流体的な扱いにより多くの有意義な結果を導いてきた.このときプラズマは局所熱平衡状態にあることが仮定され,熱平衡状態にある粒子速度分布の確率密度は3次元正規分布(統計力学ではMaxwell分布)で与えられる.その一方で衛星の観測技術は急速な進歩を遂げ,3次元速度空間においてより精密な速度分布の形状を高時間分解能で測定できるようになった.その結果,熱平衡状態であるMaxwell分布にまで緩和していない,速度空間に複数の極大をもつプラズマ分布が明らかにされてきた.2成分以上が部分的に重なりがある場合に,その複雑な分布の形状を客観的に評価することは難しい問題であった.そこで本研究はGeotail衛星で測定されたプラズマ粒子速度の3次元分布に3軸非等方Maxwell分布の混合分布モデルを適用し,同時にモデルの成分数惟定を行った.分析対象が「不等間隔+離散+(擬)計数+大規模」データであることから,データ解析において従来手法がそのまま適用できず,様々な工夫を行った.まず,速度空間内でデータの平滑化を行い,分布の空間近似を行った.そして平滑化関数から擬似データ(プラズマ粒子)を発生させ,それをもとに成分数推定を行った.基本的に直感にあう結果が得られているが,問題点がいくつかある.それは,様々な平滑化手法からの選択方法,成分数推定に関る情報量規準適用のための必要な標本数の考察,平滑化手法を用いない場合の物理モデルと統計モデルを考えることである.
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