2000 Fiscal Year Annual Research Report
自律的なスレッドの計算機間移動を可能とする並列プログラミング環境の構築
Project/Area Number |
11780187
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
福田 宗弘 筑波大学, 電子・情報工学系, 講師 (50302394)
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Keywords | スレッドマイグレーション / マルチスレッディング / マルチエージェント / 並列プログラミング |
Research Abstract |
本研究は、多数の高性能なパーソナル・コンピュータを1Gbps高速ネットワークに接続したクラスタ計算機の上に、多数のスレッドが自律的に論理ネットワークを構築しながら、クラスタ上を移動する並列プログラミング環境を実現することを目的とした。本環境を使って、ネットワーク応用問題、シミュレーション等の並列化を目指し、予定通り実現した。 昨年度は、スレッドのネットワーク関数、スレッド管理プロセス等の基本部分を実現した。今年度は、スレッドの動作とネットワークの構築を柔軟に記述するための言語M++の設計、および、その言語プリプロセッサの開発を行い、本並列プログラミング環境を完成させた。さらに、本環境を用いてアプリケーションプログラムを開発し、本環境が提供するプログラムの記述性と性能の評価を行った。アプリケーションには、ネットワーク応用問題として、ATRが開発した成長型ニューラルネットワークCodi-1bitを、マルチエージェント型シミュレーションプログラムとして、UCLAが開発したAnt Farmを用いた。これ2つのアプリケーションを、本環境(M++)とメッセージパッシングライブラリ(MPI)を用いて並列化し、双方の記述性と性能について比較を行った。その結果、性能では、最適化されたMPIプログラムに比べて同等か、1.5倍程度劣るものの、記述面では、元来のアプリケーションアルゴリズムとの意味的相違を抑え、かつ、それぞれのシミュレーションエンティティを自己移動型スレッドに隠蔽することができ、MPIに比べて遥かに優れた並列プログラミング環境であることを実証した。この結果を論文にまとめ、Cluster Computing 2001に投稿することにしている。
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[Publications] Munehiro Fukuda: "Introducing Dynamic Data Structure into Mobile Agents"The 1999 International Conference on Parallel and Distributed Processing Techniques and Applications. 1854-1860 (1999)
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[Publications] Naoya Suzuki: "Self Migrating Threads for Multi-Agent Applications"The 1st IEEE International Workshop on Cluster Computing. 221-228 (1999)