1999 Fiscal Year Annual Research Report
並列クリロフ部分空間アルゴリズムの共有メモリ対称型マルチプロセッサ上での性能評価
Project/Area Number |
11780194
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西田 晃 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (60302808)
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Keywords | 大規模疎行列 / 並列反復解法 / クリロフ部分空間アルゴリズム / 共有メモリ型アーキテクチャ / マルチスレッド並列処理 |
Research Abstract |
本研究では,離散化された問題を解く際に必要となる大規模線形反復解法の共有メモリ型並列計算機上への効率的な並列実装を実現し,高性能なライブラリを供給することを目的としている。本年度は、並列環境の構築に必要な計算設備(Dell Computer 社製 PowerEdge 6300)及びオペレーティングシステム(Sun Microsystems 社製 Solaries 7)を導入し,その上でスレッドライブラリを用いることにより,対称アルゴリズム中の主要な計算部分について高い並列化効果が得られることを実証した。 汎用性の高いライブラリを作成するためには,計算の各要素が適切な単位に関して最適化され,自由に組み合わせ可能であることが望ましい。そこで,本研究では米Oak Ridge 国立研究所で開発された汎用線形計算ライブラリBLAS及びScaLAPACKをもとに,共有メモリプログラミング用標準アプリケーションプログラムインタフェース(OpenMP)による共有メモリ型アーキテクチャ上への並列実装を行っており,これらを既存の逐次ライブラリと置き換えることにより,今後主流になると思われる共有メモリアーキテクチャ上で高い並列性を持つ高性能なライブラリが利用可能になるものと期待される。 この成果をもとに,本年度末から来年度にかけて,クリロフ部分空間アルゴリズムの完全な実装・評価,及び大規模な実問題での検証を行っていく予定である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] R.Suda,A.Nishida,and Y.Oyanagi: "A High Perforance Parallelization Scheme for the Hessenberg Double Shift QR Algori thm"Parallel Computing. 25. 729-744 (1999)
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[Publications] A.Nishida: "Least Squares Iterative Arnoldi and its Convergence"Proceedings of RIKEN Symposium on Linear Algebra and its Applications. 164-171 (1999)
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[Publications] 西田 晃: "固有値解法の最近の進展"計算工学. 4・1. 21-28 (1999)