1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11780200
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
大西 建輔 電気通信大学, 大学院・情報システム学研究科, 助手 (00303024)
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Keywords | メッシュ生成 / 曲率 / リーマン計量 / 三角形分割 / ボロノイ図 |
Research Abstract |
本研究では、曲面の方程式から、その曲面を近似するメッシュを生成する新しい手法の提案と実装を目的とする。近年、有限要素法やコンピュータグラフィックスなどの分野で、曲面を精密に近似することの必要性が増している。 本研究では、特に曲面にリーマン計量を導入し、計量による距離を利用したメッシュ生成の手法についての研究を行なう。本手法の特徴としては、曲率の符号を考慮に入れた三角形分割を挙げることが出来る。即ち、曲面を各点における曲率の値で分割することにより、各領域を曲率の符号で、それぞれ球面、平面、擬球面に対応させることができ、その曲面上での性質の良い三角形分割を利用し、曲面に則した分割を生成することが可能となる。 今年度は、主に理論的な考察を進め、次のような結果を得た。 ・全ての点で負の曲率をもつ多様体(アダマール多様体)上でのボロノイ図は、双曲型空間でのボロノイ図により近似が可能である。また、単連結完備多様体の場合には、ユークリッド空間、もしくは球面を用いればよい。 ・ユークリッド空間でのLp距離による近接関係は、L_1,L_∞距離も用いることにより、pに依存しない近接関係を与えることが可能である。 前者の結果より、負の曲率を持つ曲面の部分構造の場合には、近似として、双曲型空間での三角形分割を用いてよいということが理論に言えた。さらに、近似としては悪くはなるが、ユークリッド空間としてみなすことも可能であることがわかる。また、後者の結果より、ユークリッド空間の場合には、L_1,L_∞距離を用いて、計算を行えば、近接関係を与えることができる。この2つの結果より、曲面上の点集合を与えることが可能ならば、それらの点をL_1,L_∞距離を用いて、近接関係を計算し、この近接関係により近い点を辺により接続することで、三角形メッシュを構成することが可能となる。 来年度は、これらの成果を元に、メッシュ生成プログラムの実装を進めることになる。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 大西健輔、伊藤仁一: "単連結完備多様におけるボロノイ図のファセット数の評価"アルゴリズム研究会研究報告,情報処理学会. 69. 61-65 (1999)
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[Publications] Kensuke Onishi: "Intersection of Voronoi Regions by Lp distance"Proc. of Japan Conference on Discrite and Computational Geometry'99. 26-28 (1999)