1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11780248
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
新保 仁 茨城大学, 工学部, 助手 (90311589)
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Keywords | 実時間探索 / ヒューリスティック探索 |
Research Abstract |
本年度の研究項目とその成果は以下の通りである. 1.協調的な複数エージェント実時間探索法. 分離制御・通信手段なしという状況での双方向実時間探索を取り上げ,非決定的な状態空間のための実時間探索法min-max LRTA^*を双方向探索に応用したmin-max LRTA^*/B法を提案し,実時間探索の典型的なベンチマーク問題であるスライディングタイルパズルを用いて検証した.その結果,min-max LRTA^*/Bは,既存の双方向実時間探索法である双方向移動目標探索(MTS/B)アルゴリズムに比べ,移動回数において約2倍の性能を発揮し,プランニング時間と移動時間の総和で与えられる実行時間についても遜色ないことがわかった. 2.非適格な評価関数を用いた複数エージェント実時間探索. 項目1.と同じ2種類の双方向実時間探索アルゴリズムに対して,非適格な初期評価関数を用いて性能を評価した.結果は対照的で,MTS/Bにおいては,(適格な)マンハッタン距離に1.5倍程度の重みづけをした(非適格な)初期評価関数を用いた場合に2倍程度の性能の向上が見られ,それ以上の重みにたいしては性能が悪化するのに対し,min-max LRTA^*/Bについては10倍程度の重みづけをしても性能の大きな向上および悪化は見られなかった.このことはmin-max LRTA^*/BがMTS/Bに比較して評価値の非適格性に対して頑健であることを示唆するものである. これらの成果については,来年度にその考察も含め公表する予定である.
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