1999 Fiscal Year Annual Research Report
ブートストラップ法を用いた品質管理・マーケティング手法に関する研究
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11780322
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
鈴木 秀男 筑波大学, 社会工学系, 講師 (10282328)
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Keywords | ブートストラップ法 / 品質管理 / 統計的工程管理 / シューハート管理図 / ブートストラップ信頼区間 / マーケティング / 適合度指標 / 因子分析 |
Research Abstract |
本年度は,ブートストラップ法の品質管理への応用として,工程分布形に依存しないブートスラップ管理限界線構成法を提案した.従来の管理図は,工程が統計的管理状態にある場合に,品質特性データは互いに独立で正規分布に従うという仮定に基づいている.しかしながら,実際には,測定されるデータの分布が非常に歪んでいることがある.本研究で用いられるブートストラップ法は,コンピュータを活用したノンパラメトリックな方法であり,正規性の仮定なしで管理図を構成することを可能とする.本研究では,ブートストラップ信頼区間推定法としてよく知られているBCa,ABC,Bootstrap-t法を用いたX^^-s^2管理図の構成方法を提案した.これらは,従来のブートストラップ管理図に関する研究において用いられていない方法であった.シミュレーション実験結果から,工程分布が歪んでいる場合に,Percentile法及びBCa法が標準的方法よりも優れていることが示された.本研究の拡張として,工程データに自己相関が存在する場合の管理図構成法についても検討を始めている. 因子モデルにおけるブートストラップ適合度指標検定法についても,成果が得られている.因子分析や共分散構造分析で使われている適合度指標(RMR,GFI,AGFIなど)は,完全適合値と比較してモデルの妥当性が検討される統計量である.しかしながら,実際にはサンプリング誤差が存在するため,これらを考慮したless-than-perfect値と比較する必要がある.ブートストラップ法の導入により,仮説モデルにおけるless-than-perfect値やそれらの標準誤差を求めることができ,サンプリング誤差を考慮したモデル選択が可能となった.
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