2000 Fiscal Year Annual Research Report
レーザーアブレーションプラズマを光源とする真空紫外吸収分光計測システムの開発
Project/Area Number |
11780346
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
佐々木 浩一 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (50235248)
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Keywords | 真空紫外吸収分光法 / 原子状ラジカル / 絶対密度測定 / レーザーアブレーション / 発光スペクトル線形 / 反応性プラズマ |
Research Abstract |
本研究は,レーザーアブレーションプラズマを光源とする真空紫外吸収分光法により反応性プラズマ中の原子状ラジカル密度を測定する方法を確立することを目的としている。昨年は,アブレーションプラズマの発光スペクトル分布を飛行時間発光分光計測により推定し,その結果を元に永久磁石型ヘリコン波ラジカル源中の窒素ラジカル密度を決定した。本年度は,イメージインテンシファイアつきCCDカメラを用いてアブレーションプラズマの画像計測を行い,発光スペクトル分布を推定した。 本年度の実験では,アブレーションターゲットにポリエチレンを採用し,アブレーションプラズマからのH_α発光空間分布をイメージインテンシファイア付のCCDカメラで撮影した。イメージインテンシファイアは50nsの時間幅でゲート動作しており,アブレーション後ある時間経過した後にゲート撮影された発光空間分布を元にアブレーション粒子の運動速度分布を算出できる。その結果から,アブレーションプラズマの発光スペクトル分布を求めた。実験の結果,アブレーションプラズマ中の水素原子の速度分布は空間的に等方的であることがわかり,レーザーアブレーションのメカニズムを解明する観点からも有用な情報が得られた。このようにして発光スペクトル分布が推定されたレーザーアブレーションプラズマを永久磁石型ヘリコン波ラジカル源に取り付けた。ラジカル源で水素プラズマを生成し,得られる水素ラジカルの絶対密度を算出した。真空紫外吸収分光法で信頼性の高いラジカル密度測定を行うには,光源の発光スペクトル分布の評価が最も重要である。本研究により,光源にレーザーアブレーションプラズマを用いれば,光源の発光スペクトル分布が推定可能であり,信頼性の高い測定が可能であることが実証された。
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[Publications] 松井真也 他: "レーザーアブレーションチタンプラズマのレーザー誘起蛍光分光計測"プラズマ・核融合学会誌. 76・11. 1165-1174 (2000)
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[Publications] K.Shibagaki 他: "Formation of positive and negative carbon cluster ions in the initial phase of laser ablation in vacuum"Jpn.J.Appl.Phys.. 39・8. 4959-4963 (2000)
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[Publications] K.Sasaki 他: "Development of a compact nitrogen radical source by helicon-wave discharge employing a permanent magnet"Thin Solid Film.