1999 Fiscal Year Annual Research Report
照射硬化に寄与する微小欠陥クラスター蓄積過程のモデル化
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11780358
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| Research Institution | Kyoto University |
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Principal Investigator |
森下 和功 京都大学, エネルギー理工学研究所, 助教授 (80282581)
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| Keywords | 照射効果 / 分子動力学法 / 反応速度論 / 欠陥クラスター / 一次元拡散 / 照射相関 |
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| Research Abstract |
異なる照射場における材料挙動を定量的に結びつけるための照射相関則の構築は、既存の原子炉やイオン加速器を用いた照射実験データをもとに、現存しない核融合炉の材料設計を行う場合などに必要である。今年度は、分子動力学法を用いた計算機シミュレーションを実行し、欠陥蓄積過程に大きな影響をもたらすと考えられる微小格子間原子クラスターの挙動解析を行い、興味深い知見を得た。また、反応速度論的モデル計算により、現在便宜上照射相関パラメータとして用いているdpaの有効性について検討を行った。
(1) 分子動力学法による微小格子間原子クラスター挙動の解析
まず、分子動力学計算に必要な経験的原子間ポテンシャルを開発した。平衡状態で成立する多体型Finnis-Sinclairポテンシャルと高エネルギー部分で成立するZBL universalポテンシャルをベースに、材料の圧力-体積関係を満足するRose方程式に合うような補正を行った。このポテンシャルをもとに、微小格子間原子クラスターの移動度を長時間シミュレーションにより算出した。対象は核融合炉材料として候補に挙げられているバナジウム、タンタル、銅である。その結果、格子間原子クラスターは非常に高速に一次元拡散することが明らかになったが、この移動度はクラスターの安定構造と密接であること、また、安定構造は金属固有の積層欠陥エネルギーによって整理されるであろうことが示された。
(2) 損傷指標のdpaの再検討
さまざまな原子炉やイオン加速器を想定し、照射場固有の中性子スペクトルから一次はじき出し原子エネルギースペクトルを算出し、dpa速度、分子動力学の知見をもとに得られる正味の欠陥生成量、自由欠陥生成量を求め、それぞれの相関関係を導出した。反応速度論モデル計算から求められる照射誘起硬度上昇に有効で、かつ、dpaより相関性のよいパラメータを提案した。
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[Publications] K.Morishita,T.Diaz de la Rubia,E.Alonso,N.Sekimura,N.Yoshida: "A Molecular Dynamics Simulation Study of Small Cluster Formation and Migration in Metals"Journal of Nuclear Materials. (印刷中).
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[Publications] H.Iwakiri,K.Yasunaga,K.Morishita,N.Yoshida: "Microstructure Evolution in Tungsten during Low Energy Helium Ion Irradiation"Journal of Nuclear Materials. (印刷中).
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[Publications] T.Morioka,K.Morishita,N.Sekimura: "Modeling of Cascade Damage and Interactions by Monte-Carlo Method"Journal of Nuclear Materials. (印刷中).
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[Publications] T.Morioka,K.Morishita,N.Sekimura: "Monte-Carlo Simulation of point-defect behavior in cascades"Nuclear Instruments and Methods in Physics Research. B153. 130-135 (1999)
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[Publications] K.Morishita,T.Inoue,N.Yoshida: "Microstructural Evolution in Beryllium by Fusion-Relevant Low Energy Helium Ion Irradiation"Journal of Nuclear Materials. 269. 997-1002 (1999)
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[Publications] K.Morishita,T.Diaz de la Rubia: "A Molecular Dynamics Simulation Study of Displacement Cascades in Vanadium"Journal of Nuclear Materials. 271&272. 35-40 (1999)
