1999 Fiscal Year Annual Research Report
イオンビーム分析法による複合材料中の水素分析手法の開発
Project/Area Number |
11780367
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
土屋 文 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (90302215)
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Keywords | ジルコニウム水素化物 / チタン水素化物 / ウラン-トリウム-ジルコニウム水素化物 / 反跳粒子検出法 / 水素吸収装置 |
Research Abstract |
今回購入した赤外線イメージ炉および高精度圧力測定機を備え付けた水素吸収装置を組み上げた。この装置を用いて、水素濃度の異なるジルコニウム水素化物あるいはチタン水素化物を温度と水素圧を調整しながら作製することに成功した。チタン水素化物作製の場合、体心立方晶のβ相から面心立方晶のδ相に変態する際かなりの応力がかかるので、クラックが生じないようにするために十分に変態時間を保持する必要があることがわかった。また、高エネルギーのHe^+イオンビームを用いた反跳粒子検出法により、水素化物中の水素濃度を精度よく評価することができた。水素濃度分布は試料表面からの深さに対して一様であるが、酸化物層が表面に形成された場合、酸化物層内の水素濃度は低下することがわかった。 今後の計画は、ウラン-トリウム-ジルコニウム合金等をトリアーク炉で作製し、この水素吸収装置を用いて複合材料の水素化物を作製する。反跳粒子検出法あるいは核反応法により水素濃度を測定し、高温X線回析装置を用いて各温度における相および構造を解析する。これらの実験データを多成分相の熱力学平衡計算手法の一つであるThermo Calcコードを用いて解析することにより、各相の水素濃度を決定する。
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