1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11780378
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐々木 聡 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助手 (70262110)
|
Keywords | ストレス / 電極 / イオン |
Research Abstract |
植物ストレス測定用のセンサー開発のための基礎研究を行なった。 平成11年度は超微小電極をもちいてをバイオセンサー作り、そのセンサーを植物体内に差し込んで植物体内の化学物質の濃度変化を測定することを試みた。電極としては、太さ10μm〜100μmの白金及び銀線を用いた。これをガラスキャピラリーに挿入してエポキシ系接着剤で固定した。電極表面を回転型のヤスリで研磨し、先端に酵素(グルコースオキシダーゼ等)を固定化した。固定化は光架橋生ポリマー(PVA-SbQ)を用いて行った。マイクロマニピュレーターを用いて植物の茎の断面部分に挿入した。また、イオン官能性膜を持つ微小イオン電極を作製し、同様に植物の茎に挿入した。植物の茎の導管を流れているであろう各種イオン(Na^+,K^+等)の測定を試みた。 結果的には、同様に植物の表面積が小さいために応答電流が小さく、ノイズの影響が大きかった。この理由から、植物が受けているであろうストレスを化学物質濃度の変化によって計測するには至らなかった。このほか、植物体内の化学物質の測定のためには電極を挿入する際の密閉性が極めて重要であり、植物体に新たなストレスを与えない電極装着方が必要であることが明らかとなった。また、長期的に埋め込むことを考えた場合、電極表面が汚れることが想像されるため、使い捨てが可能になるような工夫も必要である。しかしながら、少なくとも顕微鏡下では、任意の位置にマイクロセンサーを挿入することが可能であり、今後センサーの高性能化の工夫が必要であることが明らかとなった。
|