1999 Fiscal Year Annual Research Report
ハイパースペクトルリモートセンシングによる都市・沿岸域植物観測のための基礎研究
Project/Area Number |
11780381
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
松永 恒雄 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 講師 (70302966)
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Keywords | ハイパースペクトル / BRDF / 樹冠反射モデル / LAI / 水面反射 / 底質 |
Research Abstract |
研究初年度である平成11年度には,高次光カットフィルタ及び回折格子を用いたポリクロメータ,5入力光ファイバ等を購入し,冷却2次元CCDカメラと組み合わせて,多入力可視近赤外分光計を試作した.そして本分光計の性能確認及び校正のために,以下のような実験・作業を行った.その結果,本分光計は当初の計画通りの性能を持つことが確認された. (1)ペルチェ素子による2次元CCDの冷却実験 (2)光を入力しない状態での測定による2次元CCDの暗電流及びその面分布の評価 (3)光ファイバ間の透過率の違いの評価 (4)波長校正用フィルタを用いた検出器素子〜波長位置の確認 また本分光計を用いて,室内にて植物等のBRDF(二方向性反射特性)の計測を試験的に行った.その結果は既往論文に示されているものと同様の特徴を持つことが確認された. また樹冠の反射モデルに関して過去に発表された研究論文を調査し,同分野の最新研究動向を取りまとめた.その後,代表的なモデルであるSAILモデルのコーディングを行ない,その計算結果を開発した分光計による測定結果と比較した.その結果,SAILモデルで考慮されていないHOT SPOT周辺を除き,両者が良く一致することが分かった. 加えて宍道湖(島根県)の地球観測衛星画像を利用した植物プランクトン量マッピング結果を論文として学術誌に投稿し,掲載された.また月探査用ハイパースペクトルセンサの開発に関連して,その性能要求・校正に関する論文を学術誌に投稿し,掲載された.さらに米国航空宇宙局のNew Millenium Project Earth Observing-1(平成12年度に打ち上げ予定)の科学検証チームメンバに選出され,同衛生に搭載されるハイパースペクトルセンサの検証に携わることとなった.
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[Publications] 作野祐司: "SPOT/HRV データによるアオコ発生時の宍道湖表層 クロロフィルa濃度分布の推定"日本リモートセンシング学会誌. 19・2. 132-148 (1999)
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[Publications] 松永恒雄: "月探査周回衛星用可視近赤外分光計:科学目的に基づく性能要求と校正"日本リモートセンシング学会誌. 19・5(印刷中). (1999)
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[Publications] Tsuneo Matsunaga: "Water Quality Mapping Using Airborne and Satellite Multispectral Sensors-Lake Shinji and Lake Nakaumi,Japan"Proc.Fourth International Airborne Remote Sensing Conf.. 2. 2-387-2-394 (1999)