2000 Fiscal Year Annual Research Report
ハイパースペクトルリモートセンシングによる都市・沿岸域植物観測のための基礎研究
Project/Area Number |
11780381
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
松永 恒雄 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 講師 (70302966)
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Keywords | ハイパースペクトル / BRDF / 樹冠反射モデル / LAI / 水面反射 / 底質 |
Research Abstract |
研究2年度目(最終年度)である平成12年度の研究は以下の3点からなる. (1)都市・沿岸域用野外分光測定システムの改良 平成11年度に試作したシステムでは,入力光ファイバプローブ数は5しかなく,また入力光が極端に強くなると飽和するという問題点があった.このため平成12年度には,光ファイバプローブ数を8に増やすとともに,入力光の減衰に用いるニュートラルデンシティフィルタを新たに実装するようにした.これにより,より短時間で多角度分光情報が取得できるようになり,また室内から屋外まで広い範囲の光条件での測定が可能になった. (2)樹冠反射モデルのインバージョンによる植生パラメータの導出と実データを用いた検証 平成12年度には樹冠反射モデルとしてKuuskモデルを採用し,そのコーディング/多角度分光情報の感度解析/多角度分光情報から植生パラメータへの逆推定の研究を実施した.感度解析の結果,多角度分光データは植生パラメータの一つである葉面積指数(LAI)についてはLAI【less than or equal】3の範囲で高い感度を持つことが明らかになった.さらにシンプレックス法を用いた逆推定アルゴリズムを開発し,その有効性をシミュレーションデータ及び地上実測データで示すことが出来た. (3)水面反射モデルのインバージョンによる水中光分光特性の導出と実データを用いた検証 平成12年度には浅海域底質の分光特性を明らかにするための基礎的実測を継続した.(1)で開発した分光計や市販の分光計を用いて,石垣島サンゴ礁底質および水族館で飼育中のサンゴの分光特性を実測し,実測に関わる技術的な問題点を明らかにするとともに,サンゴ固有の分光特性の同定/その要因究明/情報抽出方法の検討を進めた. 以上より,研究開始当初の目的は全て実現できたと言える.
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[Publications] 作野裕司: "多時期SPOT HRVデータによる宍道湖表層の総一次生産量モニタリング"日本リモートセンシング学会誌. 21・2. (2001)
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[Publications] 外岡秀行: "ASTER代替校正のための筑波テストサイトにおけるフィールド実験(熱赤外放射計)"日本リモートセンシング学会誌. 20・1. 63-70 (2000)
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[Publications] Tsuneo Matsunaga: "Monitoring of coral reefs on Ishigaki Island in Japan using multi-temporal remote sensing data"Proceedings of SPIE. (2000)
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[Publications] Tsuneo Matsunaga: "Toward the inversion of vegetation parameters using canopy reflectance models"Proceedings of SPIE. (2000)
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[Publications] Tsuneo Matsunaga: "Development of a visible and near infrared spectrometer for Selenological and Engineering Explorer(SELENE)"Proceedings of SPIE. (2000)
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[Publications] Tsuneo Matsunaga: "Cross and vicarious calibration experiments for Terra ASTER and Landsat-7 ETM+ in the thermal infrared region using hot ground targets"Proceedings of the CEReS International Symposium on Remote Sensing of the Atmosphere and Validation of Satellite Data. 143-147 (2001)