1999 Fiscal Year Annual Research Report
微生物産生ペルオキシダーゼを用いた排水中からの環境ホルモン類似物質の除去
Project/Area Number |
11780399
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
櫻井 明彦 福井大学, 工学部, 助手 (40283163)
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Keywords | ペルオキシダーゼ / フェノール類 / 重合沈殿除去 / Coprinus cinereus / 回転円板型反応器 / 環境ホルモン |
Research Abstract |
本研究では、はじめにCoprinus cinereusによるペルオキシダーゼ生産の基本的条件を振盪培養法で検討した。その結果、培養温度35℃、pH7.0の場合に最も高い生産性が得られることがわかった。また、また、培地組成については、グルコース18g/L、ポリペプトン5.0g/L、酵母エキス3.0g/Lの場合に最大ペルオキシダーゼ活性、ペルオキシダーゼ生産速度とともに最大値となることがわかった。この結果を基に、回転円板型反応器(内容積約3.5L)による培養を行ったところ、培地液量750〜1000mLの場合に最も高いペルオキシダーゼ活性が得られ、その値は振盪培養法の場合の1.5倍程度であることがわかった。さらに、試験的に培地の入れ換えによる反復回分培養を検討したところ、生産性は回分培養の場合の約1.5倍に向上した。この結果より、半連続培養による生産性向上の可能性が示唆された。 次に、回転円板型反応器で生産したペルオキシダーゼを用いて環境ホルモン類似物質の重合沈殿除去を検討した。はじめに、フェノールについての反応条件を検討したところ、反応温度0〜60℃の広い範囲で100%の除去が可能であることがわかった。この結果は、外気温による除去性能への影響が少ないことを示しており、実プロセスの場合に季節を問わず安定な運転が可能であることを示している。また、pHについては、5.0〜9.0の範囲でほぼ100%の除去が可能であった。これらの結果を基に、ビスフェノールAの除去について検討した。その結果、フェノールの場合とは反応が挙動が異なるが、100%の除去が可能であることがわかった。なお、フェノールの除去条件の検討結果については、APBioChEC'99で発表し、現在、投稿中である。
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