1999 Fiscal Year Annual Research Report
バイオリミディエーションの為の宿主-ベクタ-系の開発
Project/Area Number |
11780401
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
村上 周一郎 神戸大学, 農学部, 講師 (00243329)
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Keywords | バイオリミディエーション / Rhodococcus / 構成的発現 / 相同組換え / カテコール1,2-ジオキシゲナーゼ / アニリン代謝 |
Research Abstract |
構成的に発現するcatechol 1,2-dioxygenase遺伝子(catA)の上流約11kbのDNA断片をクローニングし、その塩基配列を決定したところ、新たにcatAと同一の転写方向を持つ6つのORFを見い出した。これらのORFを上流方向から1〜6と名付け、それらの転写産物と類似性を示すタンパク質を調べたところ、ORF1、2、3、および6の転写産物は、アニリンからカテコールへの変換に関与するtdn遺伝子群の転写産物に、またORF4およびORF5の産物は、ferredoxinおよびferredoxin reductaseであるThcCおよびThcDに類似性を示した。しかし今回見出した遺伝子群は、tdn遺伝子群とはロケーションや構成成分において異なり、本遺伝子群は新規のアニリン代謝遺伝子群であった。 次に、catAの構成的発現時における転写開始点を調べたところ、ORF1の開始コドンより28bp上流から転写が開始されていた。またコンピューターを用いてプロモーター領域を検索したところ、今回見い出した転写開姶点から-10および-35領或に、プロモーター様配列を見出した。今後、本プロモーター領域の下流に相同組換えにより、目的遺伝子を挿入するようなベクターを構築する予定である。 また、抗生物質を示すRhodococcus属の菌株から、薬剤耐性遺伝子のクローニングを進めたが、目的遺伝子を取得することはできなかった。そこでRhodococcus内での発現が報告されている大腸菌由来のカナマイシン耐性遺伝子を、構築するベクターのマーカーに利用する事にした。現在、同遺伝子を含むRhodococcus-大腸菌シヤトルベクターを作製し本耐性遺伝子が、宿主菌であるRhodococcus sp.AN-22で発現することを調べている。
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