1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11780404
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
興津 健二 長崎大学, 工学部, 助手 (60295095)
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Keywords | 超音波分解 / 四塩化炭素 / 触媒添加効果 / 不均一反応 |
Research Abstract |
地下水汚染物質である揮発性有機塩素化合物を超音波照射によって分解・無害化する、新しい水処理技術を開発することを最終目的として検討を行っている。分解対象物質に四塩化炭素を選択し、超音波照射には高エネルギー型(KAIJO型)と低エネルギー型(本多電子製)の2種類の超音波発生装置を用い、20℃の水浴中で照射実験を行った。照射する超音波のエネルギーが高いほど分解が速やかに進行することが分かった。また低エネルギー超音波の照射においては、超音波周波数が100kHz<50kHz<28kHzと低くなるに従って分解が速やかに進行することが明らかになった。分解反応をより効率良く進行させるために金属酸化物あるいは遷移金属の添加効果について検討した。分解生成物の分析には、ECD検出器付ガスクロマトグラフ、イオンメーター、可視紫外分光光度計を用いた。触媒としてシリカなどの金属酸化物粉末を添加した場合では、大きな分解促進効果はみられなかった。ただし、低エネルギー超音波(28kHz)を用いてアルミナを添加した系では、再現性は悪かったが触媒活性が得られることが判明した。一方、亜鉛、銅などの遷移金属粉末を添加した場合では、還元脱塩素化反応が進行することで分解速度の向上がみられた。特に亜鉛添加では著しい分解促進効果がみられた。分解機構を検討するために、超音波照射した亜鉛をX線光電子分光法により解析した結果、亜鉛表面の酸化物層が照射によって削られて活性な亜鉛金属面が露出し、それによって効率良く四塩化炭素の分解が進行したと考えられた。
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