1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11780410
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
石原 淳 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助手 (80250413)
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Keywords | ピンナトキシン / 環状アセタール / 貝毒 / ギムノジミン |
Research Abstract |
最近、環状イミノ骨格を有する食中毒の原因物質、ピンナトキシンが沖縄産タイラギ貝から、またギムノジミンがニュージーランド南島産カキから相次いで発見された。いずれも通常無毒な貝から単離されており、毒の作用機構解明と予防の観点から、有機合成的手法による分子レベルの研究が強く求められている。ピンナトキシンは非常に特異なアセタールとスピロ環状イミンをその骨格中に有している。我々は選択的アセタール化を経て、B,C,D,E,F環部位の合成を行った。この過程でアセタールの一部の異性化が観察されたため、より効率的な合成経路を別途検討した。その結果、直鎖化合物より選択的に5つの環を一挙に構築する方法を見出した。また、A,G環部位のDiels-Alder反応による構築についても検討を行っている。これらの化合物は全合成のための重要な中間体と位置づけられ、近い将来、ピンナトキシンの全合成が完了できると考えている。また、ギムノジミンはスピロ環状イミン部位とテトラヒドロフラン部位から成る化合物である。我々はアセタールのアリル化により高選択的にシス置換テトラヒドロフラン部位を誘導する方法を見出した。この反応の選択性については興味が持たれている。さらにポリエン側鎖の構築について検討を重ねている。この化合物より分子内Diels-Alder反応を経て、ギムノジミンの全合成を目指している。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] J. Ishihara: "Synthetic Studies on Azadirachtin (Part 3) : Asymmetric Synthesis of the Tricyclic Dihydrofuran Moiety of Azadirachtin"Tetrahedron Letters. 40・10. 1907-1910 (1999)
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[Publications] J. Ishihara: "Synthetic Studies on Azadirachtin : Construction of the Highly Functionalized Decalin Moiety of Azadirachtin"Tetrahedron Letters. 40・23. 4387-4390 (1999)
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[Publications] T. Sugimoto: "Synthesis of the B, C, D, E, F-Ring Fragment of Pinnatoxins"SYNLETT. No.5. 541-544 (1999)