1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11780411
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鈴木 巌 東北大学, 大学院・薬学研究科, 講師 (30226493)
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Keywords | 修飾シクロデキストリン / 分子認識 / クラウンエーテル / プロパンジアミン / アントラキノン / 光学異性 / 包接化合物 / 2級水酸基側修飾 |
Research Abstract |
平成11年度は本申請課題を遂行するのに必要な種々の修飾シクロデキストリンのゲスト包接挙動を明らかにする目的で、クラウンエーテル修飾β-シクロデキストリン、アントラキノン修飾β-およびγ-シクロデキストリン、エチレンジアミンならびにプロパンジアミン修飾β-シクロデキストリンの合成を行った。 クラウンエーテル修飾β-シクロデキストリンのゲスト包接挙動は、種々の分光法ならびに2次元NMR法にて詳細に検討し、ゲスト分子としてD-およびL-トリプトファンを用いた場合、1級水酸基側にトリプトファンのアンモニウム基を認識するクラウンエーテル部位を持つシクロデキストリン誘導体よりも、2級水酸基側にクラウンエーテル部位を有するシクロデキストリン誘導体の方がトリプトファンの認識に優れていることを見いだした。これらの結果は現在投稿中である。 ジアミン修飾シクロデキストリンに関しても、溶存蛍光プローブとしてANSを用いた検討および酸-塩基滴定の結果から2級水酸基側修飾の優位性を確認した。しかしながら、ジアミン修飾のみではゲスト(疎水性アミノ酸を用いた)の光学異性の識別は不可能であったため、クラウンエーテル修飾シクロデキストリンの場合の結果を併せて考えると、修飾残基にはある程度の崇高さが必要なものと思われる。この結果は現在、投稿準備中である。 これらの結果をもとに、電子欠乏性芳香族であるアントラキノンを修飾残基としたシクロデキストリンを合成し、現在その分光特性ならびにゲスト包接挙動を検討中である。また、現在、アントラキノンとクラウンエーテルあるいはプロパンジアミンを同時に修飾残基とするシクロデキストリンを合成中である。
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