2000 Fiscal Year Annual Research Report
2'位置換ヌクレオシドによる核酸二重鎖マイナーグルーブ内への機能性基の導入
Project/Area Number |
11780414
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
尾崎 広明 群馬大学, 工学部, 助手 (90211820)
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Keywords | ヌクレオシド / DNA / 糖部2'位修飾 / 機能性基 / Tm / RNA切断 |
Research Abstract |
核酸のマイナーグルーブ中に機能性基を導入し、その核酸高次構造に及ぼす影響ならびに、この新規修飾核酸の機能を検討した。そのために、ヌクレオシド糖部2'位に置換基を持ったオリゴヌクレオチド(ODN)の合成ならびに、その二重鎖形成に及ぼす影響、RNA切断について検討を行い、以下の結果を得た。 1.2'位修飾ヌクレオシドの合成とそのDNA中への組み込み、ポストシンセティックモディフィケーション法による機能性物質の導入は、昨年度開発した方法により効率的に行うことができた。本研究では修飾DNAにRNA切断活性を付与するためにトリス(2-アミノメチル)アミンを結合させた。 2.2'位をトリス(2-アミノメチル)アミンで修飾したODN(d(5'-CGC TTC TXC CTG CCA-3'))とDNA(相補鎖15量体)ならびにRNA(5'-F-CUA UGG CAG GAA GAA GCG GAG)との二重鎖安定性を調べた結果、DNAとの二重鎖の融解温度(Tm)は56.7℃であり、未修飾ODNのTm(60.0℃)より3.3℃低下した。RNAとの場合、修飾ODNのTmは63.1℃、未修飾ODNのTmは66.6℃となり、2'位修飾によって3.5℃低下した。この2'位修飾による二重鎖安定性の低下は、硫黄原子による糖部コンフォメーションの変化とかさ高い置換基による二重鎖のゆがみに起因すると推測された。 3.修飾ODNによるRNA切断反応は相補鎖を含む5'標識化RNA21量体を用い、その反応生成物をアルリルアミドゲル電気泳動ならびにHPLCで分析した結果、切断は起こるもののその切断位置は標的とした二重鎖内部ではなく二重鎖の5'側の一重鎖領域で起こることが判った。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] H.Ozaki,S.Momiyama,K.Yokotsuka,H.Sawai: "Post-synthetic Functionalization of Oligodeoxyribonucleotides at the 2'-Position"Tetrahedron Letters. 42,4. 677-681 (2001)