1999 Fiscal Year Annual Research Report
ナマコの神経突起伸展性ガングリオシド成分の構造活性相関解明を目指した化学的研究
Project/Area Number |
11780420
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山田 耕史 九州大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (00253469)
|
Keywords | 棘皮動物 / ナマコ / スフィンゴ糖脂質 / ガングリオシド / セレブロシド / セラミド / 神経突起伸展作用 / 構造活性相関 |
Research Abstract |
本申請研究では、ナマコ由来の神経突起伸展性ガングリオシド成分の構造活性相関の解明を行う事を目的として、ナマコの新規な神経突起伸展性ガングリオシド分子種を分離し、続いて、立体化学を含めた詳細な構造の解明を行い、更にそれら分子種について、神経突起伸展作用を調べ、活性の認められた分子種の構成成分への精密分離と、その微細構造の解明を行うと共に、神経突起伸展作用を詳細に検討し、構造活性相関を解明する事を企図して行うものである。今年度は、以下の手順で研究を推進し、研究成果を得た。 1)材料ナマコの抽出・分離・精製 今年度は、5種のナマコ(ジャノメナマコ、チズナマコ、バイカナマコ、シカクナマコ、マナマコ)の採集を行い、研究材料の充分な確保を行った。このうち、ジャノメナマコ並びにシカクナマコについては、ガングリオシド成分の抽出・分離・精製等作業中である。更に、これまで、分離作業中であった、マナマコ並びに、ニセクロナマコからも、それぞれ1種の新規ガングリオシド成分を得ることが出来た。 2)ガングリオシド分子種の構造解析 今年度得られた2種のガングリオシド成分の構造については、常法に従、解明を行った。その結果、これまでナマコから得られているガングリオシドとは異なる糖鎖構造やセラミド構造を有していることが明らかになった。 3)ガングリオシド分子種の神経突起伸展作用 今年度は、今回得られた2種のガングリオシド成分並びに、これまで申請者らがナマコより得ているガングリオシド成分と、その合成アナログ体について、神経突起伸展作用を調べ、その活性試験結果と構造の相関について検討を行った。その結果、糖鎖構造中に酸性糖であるシアル酸が活性発現には必須であり、更に、シアル酸が糖鎖の末端部に結合するとより強い活性を示すことを明らかにすることが出来た。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] 樋口隆一: "Partial Synthesis of a Sea Cucumber Ganglioside Analogue from a Starfish Cerebroside"Europian journal of Organic Chemistry. 1999巻. 145-147 (1999)
-
[Publications] 金子雅文: "Constituenrs of Holothuroidea,8.Structure of Neuritogenic Active Ganglioside from the Sea Cucumber Stichopus japonicus"Europian journal of Organic Chemistry. 1999巻. 3171-3174 (1999)
-
[Publications] 樋口隆一: "Synthesis of Simple Sea Cucumber Ganglioside Analogue"Europian journal of Organic Chemistry. 1999巻. 3175-3178 (1999)
-
[Publications] 山田耕史: "Constituenrs of Holothuroidea,9.Isolation and Structure of a New Ganglioside Molecular Species from the Sea Cucumber Holothuria pervicax"Chemical & Pharmaceutical Bulletin. 48巻・1号. 157-159 (2000)