1999 Fiscal Year Annual Research Report
テロメア部位DNA配列が形成する四重鎖構造のNMRによる研究
Project/Area Number |
11780426
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
金折 賢二 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 助手 (30273543)
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Keywords | テロメア / 四重鎖構造 / G-カルテット / i-motif / 核磁気共鳴法 / 円二色性分光 |
Research Abstract |
テロメア領域とは染色体の末端部位のことで、このテロメア部位には3-末端側の鎖ではグアニン残基(G)に富む配列が、5-末端側ではシトシン残基(C)に富む配列が繰り返し並び、お互いが相補鎖を形成している。これら連続したG及び、Cを含むDNAオリゴマーは、それぞれ特異な四重鎖構造(Gカルテット、i-motif)を形成することが知られている。本研究の目的は、DNA鎖の複製や、減数分裂の際に、テロメア部位がとりうる構造や、四重鎖間の相互作用についての構造的な知見を得ることである。本年度に得られた知見は以下の通りである。ヒトテロメアの繰り返し配列である[d(TTAGGG)n・d(CCCTAA)n]の他、数種のG-rich、C-richなDNAオリゴマーを合成・精製した。まず最初に、d(CCCTAA)が形成するi-motif構造について、NMR分光法を用いて詳しく解析した結果、d(CCCT)では観測されなかった新規のトポロジーを持つi-motif構造が観測された。また、Gガルテットとi-motif構造の安定性と相互作用を円二色性分光法(CD)によって評価した。[d(TTAGGG)・d(CCCTAA)]が相補的な二重鎖を形成している状態から、カリウムイオンを添加することによってGカルテット形成を示すCDパターンが観測された。また、弱酸性条件(pH4.5)にすることによってi-motif構造の形成を示唆するCDスペクトルの変化も観測された。現在、これらの条件についてNMRスペクトルを解析中である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Kenji Kanaori: "Structure and stability of consecutive stereoregulated chiral phosphorothioate DNA duplex"Biochemistry. 38. 16058-16066 (1999)
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[Publications] Toshinori Suzuki: "Isolation and characterization of diazoate intermediate upon nitrous acid and nitric oxide treatment of 2'-deoxycytidine"Biochemistry. 38. 7151-7158 (1999)
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[Publications] Toshinori Suzuki: "Formation of 2'-deoxyguanosine and nitrous acid: mechanism and intermediates"Nucleic Acids Research. 28. 544-551 (2000)