1999 Fiscal Year Annual Research Report
免疫グロブリンの体細胞突然変異誘導に関与する分子機構の解明
Project/Area Number |
11780450
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
関亦 正幸 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (80250190)
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Keywords | 免疫グロブリン / 体細胞突然変異 / 転写調節因子 / B細胞 / 抗体 |
Research Abstract |
申請者はこれまで、マウスミエローマ細胞株NS0とマウスB細胞株 J558L に終止コドンを導入した非分泌型Igを強制発現した細胞株を樹立し、体細胞突然変異の培養細胞検出系として解析を進めている。体細胞突然変異を積極的に起こすNS0細胞は、突然変異誘導因子やDNA修復阻害因子を発現していると仮定し、体細胞突然変異を起こさない J558L 細胞とでcDNAサブトラクション法を行い、NS0細胞に特異的に発現している新規遺伝子のクローニングに成功した。以下に、本年度の研究によって得られた成果と、今後の研究の計画について記述する。 1)得られたcDNA断片をもとに、5RACE 法にて全長のクローニングを行ったところ、7つのZnフィンガーモチーフを有する新規遺伝子であることが明らかとなった。 2)この新規分子の発現ベクターを作製して、動物細胞で強制発現させたところ、核に強い染色像が得られたことから、本分子は核に局在するタンパク質であることが判明した。さらにこの解析から、本分子は核小体には存在せずヘテロクロマチン領域に多く局在していることが明らかとなった。 3)本分子の生理学的機能を明らかにするため、本分子の組換えタンパク質を作製し、特異的抗体を作製した。今後は、各組織での本分子の発現を、得られた抗体で解析予定である。 4)J558L 細胞を用いた体細胞突然変異の検出系に本分子の発現ベクターを遺伝子導入し、分泌Igを酵素抗体法で調べることにより、本遺伝子の体細胞突然変異に与える影響や、DNA修復に対する作用を解析する。
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Research Products
(1 results)