2000 Fiscal Year Annual Research Report
NF-κB活性化の際の活性酸素の役割とその分子標的の解明
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11780453
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
早川 磨紀男 東京薬科大学, 薬学部, 講師 (30198824)
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Keywords | NF-κB / IκB / 活性酸素 / アンチオキシダント / 腫瘍壊死因子 / インターロイキン1 / p38 / c-Jun N-terminal kinase |
Research Abstract |
転写調節因子NF-κBは、その阻害タンパク質であるIκBによって、核局在性シグナルがマスクされ、通常、細胞質において不活性状態にあるが、炎症性サイトカインなどの刺激により、IκBがリン酸化、ユビキチン化を経て、分解されることにより、NF-κBは核へ移行し、炎症、免疫などに関わる様々な遺伝子の発現を調節する。これに対して、種々のアンチオキシダントが抑制作用を示すことが知られているが、その分子機構についての詳細は明らかではない。本研究において、我々はフェノール性抗酸化剤のepigallocatechingallateとTrolox及び、NF-κB阻害作用が報告されているN-acetylcysteine(NAC)とpyrrolidinedithiocarbamate(PDTC)を用い、TNFが惹起するNF-κB活性化に対する影響を調べたところ、NACとPDTCのみが抑制作用を示した。さらに、NACは、NF-κBのみならず、TNF刺激によるJNK、p38、ERKの3種のMAP kinaseの活性化を強く抑制したが、ホルボールエステルによるこれらの情報伝達系の活性化には全く影響を与えなかった。一方、PDTCはTNFによるNF-κB活性化を抑制したが、p38の活性化に対しては抑制しなかった。以上のことから、NACとPDTCは単純に活性酸素種をスキャベンジすることにより、NF-κB活性化を遮断するわけではなく、それぞれ異なる分子標的に作用し、TNFシグナルを抑制していると考えられた。
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