1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11780454
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
西井 亘 東京薬科大学, 生命科学部, 助手 (30287461)
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Keywords | プロテオリシス / 細胞内イメージング / 蛍光基質 |
Research Abstract |
本研究では,細胞内プロテオリシスをリアルタイムで可視化検出しうる新規蛍光基質の開発,およびその細胞内イメージングを試みた.その結果,以下の実績を得た. (1)FRET(Fluorescent Resonance Energy Transfer)に基づく新規蛍光基質の作製 コラゲナーゼによる切断を受けて,蛍光スペクトルが変化する,新規蛍光基質の作製を行った.この基質は,基質ペプチドの両端をそれぞれ蛍光ラベルしたもので,両者の蛍光基間の距離がプロテオリシスをうけた場合に増大し,FRETが消失することを利用したものである.このような二重蛍光基質の作製は従来複雑な有機合成化学の技術と設備が必要であったが,本研究では,ペプチド合成および蛍光ラベルを固相で行う新規合成法を試み,任意の蛍光基をペプチド鎖の任意の場所に簡便に導入することに成功した.この合成基質はin vitroでコラゲナーゼの基質となり,蛍光スペクトルが若干変化することが確認されたが,細胞内での可視化試薬としては蛍光変化が不十分であると考えられる.現在,基質構造の最適化を進行中である. (2)アクリロダン標識基質の作製 アクリロダンは,周囲の誘電率により蛍光スペクトルを変化させる蛍光基である.ここでは,カスパーゼ1をモデルとし,アクリロダンを切断部位近傍に導入した基質ペプチドを作製した.この基質については現在,in vivo,in vitro両面でその有効性を検討中である. (3)プロテオリシス可視化試薬の細胞内導入法の検討 各種蛍光ペプチド試薬の細胞内導入の条件を検討した.これらの試薬は培養細胞の表面に直接溶液を添加することで,効率よく細胞内に導入された.また,この細胞を蛍光顕微鏡および画像解析装置で観察したところ,基質の局在が確認された.現在,プロテオリシスの進行と基質変化の様子を解析中である.
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