2000 Fiscal Year Annual Research Report
ミトコンドリアに存在するATP依存性プロテアーゼLonの構造と機能の解析
Project/Area Number |
11780459
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Research Institution | National Cancer Center Research Institute and Research Center for Innovative Oncology, National Cancer Center Hospital East |
Principal Investigator |
村松 知成 国立がんセンター, 生物物理部, 室長 (70212256)
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Keywords | ATP依存性プロテアーゼ / マウス / ミトコンドリア / 高度好熱菌 / 結晶化 |
Research Abstract |
Lonプロテアーゼはタンパク質の分解と共役してATPを加水分解するATP依存性プロテアーゼの一種で,大腸菌などの原核生物からヒトなどの高等哺乳動物に至るまで広くその存在が知られている.原核生物においては細胞質に,真核生物においてはミトコンドリアに存在し,変性タンパク質の除去や細胞分裂,細胞壁合成の制御(原核生物),ミトコンドリアの機能維持(真核生物)などに関わっていることが示唆されている.本研究では,哺乳動物のミトコンドリアにおけるLonプロテアーゼの機能解析を行うとともに,Lonプロテアーゼ自体のATP依存的ペプチド結合切断のメカニズムを立体構造レベルで解明することを主な目的とし,これまでに,マウスのLON cDNAのクローニングを行うとともに,GFPとの融合タンパク質を用いて,ミトコンドリア移行に要求されるシグナルの特定などを行ってきた. 今年度はLON遺伝子の機能を個体レベルで調べる目的で,ドミナントネガティブ体のLONを発現するトランスジェニックマウスを作成することを試みた.マウスLonのSer834は各種生物のLonに高度に保存されており,大腸菌ではプロテアーゼ活性残基であることが報告されている.そこで,このセリン残基をアラニンに置換したLon変異体(S834A)発現ベクターを構築し,マウス受精卵への導入を試みた.現在,この変異体LON遺伝子が導入されたマウス一匹を得ることができ,その解析を行っている. また,LonプロテアーゼのATP依存的ペプチド結合切断メカニズムならびに細胞内変性タンパク質認識メカニズムの詳細な解析にはX線結晶構造解析によるLonプロテアーゼの立体構造の解明が不可欠となる.そこで,結晶化に有利と思われる高度好熱菌のlon遺伝子の発現系を作成し,それより精製した標品を用いて結晶化の条件検討を行っている.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] A Liang,C.Brunen-Nieweler,T.Muramatsu,Y.Kuchino,H.Beier,and K.Heckmann: "The ciliate Euplotes octocarinatus expresses two polypeptide release factors of type eRF1"Gene. 262(1/2). 161-168 (2001)
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[Publications] T.Muramatsu,K.Heckmann,C.Kitnaka,and Y.Kuchino: "Molecular mechanism of stop codon recognition by eRF1: a wobble hypothesis for peptide anticodons"FEBS Lett.. 488(3). 105-109 (2001)