1999 Fiscal Year Annual Research Report
分裂酵母の減数分裂制御因子Mei2タンパク質の機能解析
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11780503
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山下 朗 東京大学, 遺伝子実験施設, 助手 (30312276)
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Keywords | 減数分裂 / 分裂酵母 / RNA結合タンパク質 / 局在制御 / 核移行 |
Research Abstract |
本研究は、分裂酵母の減数分裂を制御するRNA結合タンパク質Mei2の解析解明を目指すものである。これまでに、Mei2は細胞質において細胞周期を体細胞型から減数分裂型に切り換えた後、RNA分子の助けをかりて核に移行して、減数第一分裂を誘導すると考えられてきた。今年度の研究により、Mei2は単純に細胞質から核へ移行しているだけではないことが明らかとなった。核外排除シグナル配列を導入した変異型Mei2を野生型Mei2の代わりに発現した分裂酵母株は、減数分裂前DMA合成を行わない表現型を示した。すなわち、Mei2は減数分裂前DNA合成を誘導する際には細胞質のみに局在しているように見られるが、実際は細胞質-核をシャトルして機能していることが示唆される。レプトマイシンBを用いて核外排除を阻害すると、Mei2の核への蓄積が観察された事実もこのことを支持する。現在、Mei2に様々な変異を導入して、Mei2の局在制御に関わる配列の固定を試みている。 Mei2の一部の機能のみに欠損のある株を作製して、Mei2と遺伝子学的に相互作用する因子の単離を行っているが、今のところそのようなものを得ることはできていない。スクリーニングの系自体が、復帰変異体が取れやすい等の問題をはらんでいることが明かとなってきたので、系の改良を行ってスクリーニングを続行する予定である。また、分裂酵母内、およびin vitroでMei2と相互作用する因子を生化学的に固定するための系も構築中である。
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