1999 Fiscal Year Annual Research Report
スフィンゴシン1-リン酸による細胞運動調節の分子機構の解析
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11780505
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
和田 淳 北海道大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (00301953)
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Keywords | スフィンゴシン1-リン酸 / 細胞運動 / 受容体 / 細胞骨格 |
Research Abstract |
スフィンゴシン1-リン酸の、受容体を介した細胞運動制御機構についての解析を行った。 まず、マウスの培養細胞NIH/3T3,Swiss/3T3,B16F10において、現在までにスフィンゴシン1-リン酸受容体であることが明らかになっている3種の分子、Edg1,Edg3,Edg5/Agr16、および類縁分子のEdg6が、内在性に発現しているかどうかを、RT-PCR法をもちいて検討した。その結果、スフィンゴシン1-リン酸によって運動を抑制されるB16F10細胞では、Edg5/Agr16の発現が高く、Edg1、Edg3はほとんど発現していないこと、一方NIH-3T3細胞,Swiss/3T3細胞では、これら3種の受容体がすべて発現していることが明らかになった。また、血球系の細胞で多く発現しているEdg6は、これらの細胞株ではいずれも発現していなかった。 次に、それぞれの受容体の発現がアクチン細胞骨格に与える影響について、CHO細胞、COS7細胞に一過性にそれぞれの受容体を発現させることで検討した。Edg5/Agr16の発現によって細胞は収縮し、このときアクチンストレスファイバーの若干の増強が見られた。Edg3の発現では、細胞膜周辺に微小突起や葉状突起が形成された。しかし、Edg6は、細胞膜表面に均一に発現しなかった。Edg1については現在検討中である。
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