1999 Fiscal Year Annual Research Report
進化的に保存された動原体特異的ヒストンCENP-Aの分裂酵母ホモログの機能解明
Project/Area Number |
11780509
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高橋 考太 京都大学, 大学院・生命科学研究科, 助手 (40303804)
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Keywords | 染色体 / 分裂酵母 / セントロメア / ヒストン / クロマチン / ヌクレオソーム / CENP-A / キネトコア |
Research Abstract |
進化的に保存されたセントロメア特異的なヒストンH3バリアントであるCENP-Aの分裂酵母ホモログCnp1をdegenearatePCR法によりクローン化し機能解析を行った。Cnp1がセントロメア中央領域に結合するタンパク質であることを、GFP融合タンパク質の局在、およびCHIP解析から明らかにした。cnp1^+遺伝子破壊株および温度感受性変異株cnp1-1では、染色体の不均等分配が観察され様々な異数体が生成し致死となった。姉妹セントロメアの分離や、両極への移動は正常に起こっているようにみえた。このときCnp1のかわりに、ヒストンH3を含むと思われるヌクレオソームがセントロメア領域に形成され、セントロメア特異的なクロマチン構造が崩壊していた。染色体の不均等分配が観察され始める前に、このクロマチン構造が崩壊していることもわかった。以上のことから、Cnp1は左右の方向性を持った姉妹セントロメア構造の確立に必須である可能性が強く示唆された。また、Cnp1のセントロメアへの局在化に、姉妹セントロメア結合に必須なMis6タンパク質が必要であることを明らかにした。Mis6タンパク質は、Cnp1が新規合成されると思われるG1/S期に機能していることから、Cnp1を複製期に姉妹セントロメアヘローディングしている可能性が示唆された。実際、Cnp1はMis6タンパク質が機能するG1/S期に合成され、新規に合成されたCnp1タンパク質は、Mis6の活性に依存してセントロメアにローディングされることも明らかにした。
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