2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11780520
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
相田 美和 福岡大学, 医学部, 助手 (20258528)
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Keywords | ゴルジ装置 / 小胞輸送 / セリン / スレオニンキナーゼ |
Research Abstract |
小胞輸送因子p115は小胞体-ゴルジ体間輸送に必須な可溶性たんぱく質で、輸送小胞のゴルジ体への繋留に働いていると考えられており、ゴルジ体細胞質側に局在するGM130のN末端およびgiantinのN末端とp115のC末端酸性領域が結合していることが報告されている。今回、giantinのC末端と結合する新規蛋白質GCP60をtwo-hybrid法にて単離した(論文投稿中)。GCP60はcoiled-coil構造を持ち、細胞質とゴルジ膜の両方に存在するという点でp115と同じ特徴を持つものであった。またp115同様、GCP60はリン酸化タンパクで細胞周期によるリン酸化の制御を受けており、p115とGCP60をリン酸化する酵素は同一である可能性が高いことがわかった。 このリン酸化酵素の簡便な検出のため、p115リン酸化ペプチド抗体の作成を抗原に用いたペプチドの長さや免疫方法などについて検討を加えて再度試み、リン酸化型と非リン酸化型p115を識別できる抗体を得た。細胞周期の間期と分裂期でp115のリン酸化を比較したところ、間期でも分裂期でも、リン酸化型、非リン酸化型p115の両方が存在することがわかった。P^<32>無期リン酸標識による解析では、p115は間期でリン酸化され、分裂期ではリン酸化されないことを考え合わせると、p115は間期ではリン酸化と脱リン酸化が活発に行われており、一方、分裂期には新たにリン酸が付加されることも脱リン酸化されることもなく、いわば静止した状態で存在するのではないかと推測でき、p115をリン酸化する酵素は細胞周期により、活性が変化することが示された。
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