1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11780541
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
斎藤 哲一郎 国立遺伝学研究所, 系統生物研究センター, 助手 (00202078)
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Keywords | 脊椎動物 / 神経発生 / neuromere / ホメオボックス遺伝子 / 転写因子 / トランスジェニックマウス |
Research Abstract |
脊椎動物の脳は、個体発生の過程で生じるneuromereと呼ばれる分節構造から形成され、Bar型ホメオボックス(BarH)遺伝子のMBH1は、発生の早い時期から間脳背側のneuromereで特異的に発現する。MBH1遺伝子の機能を探るため、まずゲノム構造を調べ、MBH1遺伝子はマウスの第5染色体上に位置し、少なくとも3つのエキソンから成ることを明らかにした。さらに、MBH1遺伝子の制御機構を調べるため、転写開始点を5'RACE法で明かにし、転写開始点より上流域を含む種々のDNA断片とlacZレポーター遺伝子を繋いだコンストラクトを作製した。現在、トランスジェニックマウスを作製し、転写制御領域の同定を進めている。 一方、哺乳動物の新しいBarH遺伝子MBH2のクローニングに成功した。MBH2タンパク質は、線虫やショウジョウバエのBarHタンパク質よりもMBH1タンパク質に最もよく似ており、MBH1とMBH2遺伝子は、脊椎動物と無脊椎動物が分岐した後に派生したと考えられる。また、ショウジョウバエでは、BarH遺伝子のBarH1とBarH2が同一染色体上に位置し、同一細胞の同時期に発現するのに対し、MBH1とMBH2遺伝子は異なる染色体上に存在し、異なる細胞で発現することが明かとなった。この解析の過程で、in situ hybridizationの新しい蛍光2重染色法の確立に成功し、転写因子のように発現量の少ないmRNAでも高感度で解析できるようになった。
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Research Products
(1 results)