1999 Fiscal Year Annual Research Report
セロトニン2A型受容体のラット小脳特異的サブタイプのクローニング
Project/Area Number |
11780573
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
成田 正明 筑波大学, 基礎医学系, 講師 (80302404)
|
Keywords | セロトニン2A型受容体 / 小脳 |
Research Abstract |
本研究の目的はラットにおけるセロトニン(5-HT)2A型受容体(5-HT2AR)の小脳型サブタイプのクローニングである。研究代表者は本格的なクローニング作業に入る前にまずラット小脳において5-HT2ARのmRNAが発現しているかどうかをNorthern Blotting法によって調べた。米国UCSF Dr.Juliusより入手したラット大脳型5-HT2AR cDNAをプローブとしlow stringency条件下で、ラット大脳及び小脳RNAとhybridizeさせたところ小脳においても大脳とほぼ同様のサイズに転写産物を認めた。さらにラット小脳RNAで既知のラット大脳型5-HT2ARの塩基配列より作成したプライマーを用いてRT-PCRを行ったところ予想されたサイズにPCR産物を検出できた。これらのことは小脳に、大脳型5-HT2ARと相同性の高い5-HT2ARサブタイプが存在することを示している。そこで研究代表者はラット小脳cDNAを鋳型としてラット大脳型5-HT2ARの塩基配列より作製したプライマーを用いて3'及び5'-RACE法によりラット5-HT2ARの小脳型サブタイプの遺伝子を増幅し、引き続きdideoxy法により塩基配列の決定を開始した。現在までほぼ全長(1.8kbp)の塩基配列決定を終了した。これまでのところ小脳における5-HT2ARの塩基配列は大脳型のそれと100%の相同性を呈しており、臓器特異的サブタイプの存在の可能性は低いと考えられる。現在再検中である。今年度の新たな知見は以上であり、第29回Society for Neuroscienceで発表した。
|