1999 Fiscal Year Annual Research Report
小脳顆粒細胞-苔状線維間の神経回路網の組織化の分子調節機構
Project/Area Number |
11780587
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
尾崎 美和子 理化学研究所, 細胞内情報研究チーム, 研究員 (30291058)
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Keywords | Neuregulin / ErbB / Activity-dependent / NMDAR / Cerebellum / Granule cell / Mossy fiber / Synaptogenesis |
Research Abstract |
本研究は小脳を研究対象とし、高次機構の基礎にある過程(シナプスの可塑性)を分子レベルから明かにしようとしている。私は、これまで小脳顆粒細胞-苔状線維間のシナプスに着目してシナプスの可塑性の研究を進めてきた。その結果、ニューレグリンと呼ばれる多機能性分化増殖因子が、ある特定の神経活動下、NMDAレセプターの遺伝子発現を制御し、顆粒細胞-苔状線維間のシナプス形成と維持に重要な役割を果たしていることを発見した(Ozaki et al.1997,Nature)。更にニューレグリンのレセプターである、ErbB(ErbB1〜4)の小脳での発現状態を解析したところ、NMDAレセプターの遺伝子発現にはErbB2とErbB4が、シナプス形成の後期にはErbB3が重要な働きをしていることが示唆された(Ozaki et al.1998,Neurosci.Res.)。小脳におけるNMDAレセプターNR2Cサブユニットの発現は、生後小脳後方より前方に向かってゆっくりゾーンを形成しながら進んでいくが、苔状線維の標識により苔状腺維の挙動を発生段階を追って調べていくとNR2C遺伝子の発現には苔状腺維の神経支配が関与している可能性が示唆された(Ozaki et al.1990,Neural Development,Ozaki et al.2000,準備中)。また、ニューレグリンには膜貫通型ニューレグリンと分泌型ニューレグリンが存在し、膜貫通型ニューレグリンはプロテインキナーゼCの活性化とKClの刺激により、細胞質から膜に移行、凝集隗を形成する。更にシナプス間隙において蛋白分断をうけ、分泌型ニューレグリンを放出する(Ozaki et al.2000,J.Neurosci.Res,Ozaki,2000,The Neuroscientist,Ozaki et al.2000,準備中)また、分泌型ニューレグリンは電気刺激依存的に産生されていた。
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[Publications] Miwako Ozaki: "Neuregulins and the Shaping of the Synapse"The Neuroscientist. (In press). (2000)
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[Publications] Miwako Ozaki et al.: "Roles of Neuregulins in Synaptogenesis of Mossy Fibers and Cerebellar Granule Cells"J.Neurosci.Res.. (In press). (2000)
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[Publications] 尾崎美和子、矢野良治: "シナプス形成におけるニューレグリンの役割--脳情報処理システムの基本原理を理解する--"実験医学増刊「脳・神経研究の最前線」. 17. 106-112 (1999)
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[Publications] 尾崎美和子: "ニューレグリン"Clinical Neuroscience. 17(6). 602-603 (1999)
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[Publications] Miwako Ozaki et al.: "Expression of receptors for neuregulins,ErbB2,ErbB3 and ErbB4,in developing mouse cerebellum"Neurosci.Res.. 30(4). 351-354 (1998)
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[Publications] Miwako Ozaki et al.: "Neuregulin-β induces expression of an NMDA-receptor subunit"Nature. 390. 691-694 (1997)
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[Publications] 尾崎美和子: "神経回路の機能発達、研究成果報告書"文部省科学研究費補助金、特定領域研究(A). (2000)
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[Publications] Miwako Ozaki et al.: "Neural Development"Springer-Verlag Tokyo,Ed.Uemura,K.Kawamura,K.and Yazaki,T.. 5 (1999)
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[Publications] 尾崎美和子: "神経回路の機能発達、研究成果報告書(4)"文部省科学研究費補助金、特定領域研究(A). 2 (1999)