1999 Fiscal Year Annual Research Report
心虚血・再灌流時の心筋細胞拍道リズムゆらぎとダイナミクス
Project/Area Number |
11780609
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山内 芳子 北海道大学, 電子科学研究所, 助手 (50230313)
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Keywords | 心筋細胞 / 虚血・再灌流 / ゆらぎ / ラット |
Research Abstract |
本研究では,新生ラット心室筋細胞の単層培養系を用いて、anoxia,glucose-free溶液を培養系に負荷することにより虚血状態を模擬し,虚血及び再灌流時の心室細動等の不整脈,さらには細胞死に至る過程での拍動リズムゆらぎの変化を明らかにすることを目的として実験を行なった. 生後1〜3日目の新生ラットの心室部分から酵素処理により心筋細胞を単離し,5〜10日間フラスコ内で培養した.虚血の模擬は、培養液を通常の培養液(MCDB107)から100%N_2で飽和したglucose-freeの培地(GF-MCDB107)に交換し,さらにフラスコ内を100%N_2で充満して閉鎖系とすることで行った.再灌流時には,GF-MCDB107をMCDB107に交換し,開放系とした. GF-MCDB107負荷から1時間後には拍動周期が延長し,それと同時に拍動リズムゆらぎも増加する傾向が認められた.さらに3時間,6時間と負荷時間を延長するに従って拍動周期および変動係数は増加し,早いものでは負荷後3時間の時点で拍動が停止する場合もみられた.GF-MCDB107負荷後3〜6時間後に培養液をMCDB107に置き換えた直後から拍動リズムは急激に速くなり,ゆらぎも小さくなってcontrolの状態に戻った.また,拍動が停止していた細胞も溶液の置換後1分以内に拍動を再開し,周期が短くゆらぎの小さい拍動がみられた.
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