1999 Fiscal Year Annual Research Report
I型コラーゲンの細胞接着部位を有するモデルペプチドの合成と人工皮膚への応用
Project/Area Number |
11780632
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
北條 裕信 東海大学, 工学部, 助教授 (00209214)
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Keywords | コラーゲン / モデルペプチド / 人工皮膚 / ペプチドチオエステル |
Research Abstract |
生体内のコラーゲンのほとんどを占めるI型は、同じα1(I)鎖2本とα2(I)の3本鎖が絡み合って三重らせん構造を形成し、種々の細胞の接着、分化等を制御している。その細胞接着部位の同定には、従来、α1(I)鎖のみからなるホモ三量体を用いて行われてきた。 本研究では、I型の細胞接着部位のより精密なモデルを目指して、α1(I)2本とα2(I)1本からなるヘテロ三量体ペプチドの合成を行った。細胞接着部位としてはI型の(433-441)の配列を用いた。まず、α1、α2鎖それぞれを固相法により調製した。その際、α1鎖のN末端には、側鎖にチオエステル基を持つFmoc(9-fluorenylmethoxycarbonyl)-グルタミン酸を結合した。HPLCによる精製の後、α1鎖の側鎖チオエステル基を銀イオンにより活性化して、α2鎖と結合し、二量体へと導いた。Fmoc基を除去した後、α1鎖を再度チオエステル基の活性化により結合し、Fmoc基を除去した。ついで、HPLCにより精製し、目的とする(α1)2α2のヘテロ三量体を得た。 得られたペプチドの立体構造をCDスペクトルにより解析したところ、トリプルヘリックス構造に特徴的なスペクトルが得られた。また、立体構造の熱安定性を224nmのモル楕円率を指標にして解析したところ、35℃付近に転移点を見いだすことができた。この結果より、目的物は、天然のI型コラーゲンと同様の構造を形成しており、細胞接着部位のモデルとして有用であることが示された。今後、このペプチドの細胞接着性を解析し、従来のα1(I)鎖ホモ三量体で行われてきた結果と比較し、細胞接着におけるヘテロ三量体の影響を解析する予定である。
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[Publications] K.Takahashi et al.: "A mini-protein designed removing a module from barnase : molecular modeling and NMR measurements of the conformation"Protein Engineering. 12. 673-679 (1999)
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[Publications] A.Wada et al.: "Induction of Human β-Defensin-2 mRNA Expression by Helicobactor pylori in Human Gastric Cell Line MKN45 Cells on cag Pathogenicity Island"Biochem.Biophys.Res.Commun.. 263. 770-774 (1999)
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[Publications] H.Hojo and Y.Nakahara: "Development of a Protecting Group Which Increases the Solubility of Hydrophobic Peptides"Peptide Science 1999. (in press). (2000)