2000 Fiscal Year Annual Research Report
I型コラーゲンの細胞接着部位を有するモデルペプチドの合成と人工皮膚への応用
Project/Area Number |
11780632
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
北條 裕信 東海大学, 工学部, 助教授 (00209214)
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Keywords | コラーゲン / モデルペプチド / 人工皮膚 / ペプチドチオエステル |
Research Abstract |
近年、コラーゲンは、細胞の接着、増殖、分化などの細胞活動のコントロールに関与していることが明らかとなってきた。生体内のコラーゲンのほとんどを占めるI型は、同じα1(I)鎖2本と、α2(I)鎖の3本鎖が絡み合って三重らせん構造を形成している。従来、I型コラーゲンの細胞接着部位の特定には、α1(I)鎖のみからなるホモ三量体が用いられ、(433-441)など幾つかの配列が候補としてあげられてきた。しかし、細胞がコラーゲンの立体構造を認識して接着しているとすれば、ホモ三量体ではなく、実際のI型コラーゲンと同様ヘテロ三量体に対する接着能を評価する必要がある。 昨年度の本研究では、細胞接着部位(433-441)のより精密なモデルとして、α1鎖2本、α2鎖1本からなるヘテロ三量体の合成を行った。そこで、このペプチドのマウス繊維芽細胞L929に対する細胞接着能を解析した。まず、ペプチドを30℃で96穴のプレートに0.1μM〜50μMの濃度で吸着させた。ついで、L929細胞を1プレートあたり2x10^4個加えて1.5時間吸着させた。その後、プレートに吸着した細胞数をMTTアッセイ法により計測した。同様の実験を市販のI型コラーゲン、(Pro-Hyp-Gly)_6についても行った。その結果、市販のI型コラーゲンは、0.01μMの低濃度から強い吸着が見られたのに対し、(433-441)の配列を含むペプチド、(Pro-Hyp-Gly)_6は、50μMの高濃度に至るまで、接着した細胞数は、I型コラーゲンの10分の1程度であった。以上の結果から、Barnesらによって指摘されているように、この部位の細胞接着能については、再検討を要する結果となった。今後、他の細胞接着部位についても同様にヘテロ三量体を合成し、その細胞接着能を検証して行く予定である。また、その部位を用いた新規の人工皮膚への応用もめざして行きたい。
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[Publications] Hironobu Hojo: "Recent Progress in the Solid-phase Synthesis of Glycopeptide"Current Protein and Peptide Science. 1. 23-48 (2000)
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[Publications] Hironobu Hojo: "Development of a Method for Polypeptide Synthesis Using Peptide Thioester"Peptide Science 2000. 5-8 (2001)
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[Publications] Hironobu Hojo: "Synthesis of the extracellular Ig domain I of Emmprin carrying a chitobiose unit"Tetrahedron Letters,. (in press). (2001)
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[Publications] Akira Ishii: "A Facile Silyl Linker Strategy for the Solid-Phase Synthesis of Protected Glycopeptide : Synthesis of an N-Terminal Fragment of IL-2 (1-10)"Tetrahedron. 56. 6235-6243 (2000)