1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11792021
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
篠田 剛 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (10023269)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 千歳 富山県工業技術センター, 中央研究所, 主任研究員
尾和 智信 長野県工科短期大学校, 制御技術科, 講師
宮原 一哉 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (70011096)
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Keywords | 飲料用アルミニウム缶 / 再生処理 / 塑性流動現象 / インゴット原料 / 高縮体化再生プロセス加工 / 摩擦熱 |
Research Abstract |
本研究は、従来の破砕、溶融処理とは異なるアプローチによりアルミ缶の再生処理の問題点を解決しようとするものである。アルミ缶の再生処理のため、外部熱源を使用せず処理物質そのものの自己摩擦発熱と、塑性流動現象を利用した全く新しいシステムを開発するものである。処理したアルミニウム材料は、インゴット原料として再溶融し、鋳造などのプロセスに再利用が可能となる。塑性流動化現象を生じる温度は、アルミニウム合金の物性値によっても異なるが、アルミ缶で300から400℃程度である。 本年度実施した申請者が所有している原理試験機では、プロセス自身の有効性と新規性を実証した。すなわち、本年度実施したアルミ缶を模擬したアルミニウムワイヤを回転できるケース内に充填し、押し出し用の穴開き棒により押し出し実験を行った。この結果、個々のアルミニウムワイヤは摩擦熱による激しい塑性流動の結果、凝着および融合に完全に一体化した新しいワイヤを押し出すことができた。パラメータとしては、回転数が高い程、また圧力の高い程縮体化が進み、アルミニウムの比重2.68程度のものが得られた。しかし現有の小型の実験では能力および制御性に制約もあり、満足すべき成果とはいえない。 本年2月に、本予算による能力の高い高縮体化再生プロセス加工機を導入でき、現在制御プログラム等の開発を実施している。しかしながら、本機の能力はこれまでとは能力も高く、目的とする実験を遂行できることを確認している。次年度は、縮体用の押し出し工具形状および材質の最適化を図り、さらに効率の良いプロセスを開発する予定である。
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