1999 Fiscal Year Annual Research Report
環境ホルモン影響の評価方法の開発及びその応用による汚染状況の解析
Project/Area Number |
11793003
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
戸田 敬 熊本大学, 理学部, 講師 (90264275)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 菜穂子 クマモト抗体研究所, 主任研究員
中田 晴彦 熊本大学, 理学部, 助手 (60311875)
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Keywords | 環境ホルモン / 抗原抗体 / PCB |
Research Abstract |
環境ホルモン影響の評価方法の検討については,抗原抗体の固定化及び表面プラズモン共鳴を用いた抗原抗体間の相互作用の検討を行った。手始めに,イムノグロブリンとその抗体を用いて,金膜への固定化を検討した。ここで得られた最適なプロセスを,平面型マイクロチップ内への固定化に,今後応用していく。さらに,アルカリフォスフォターゼ,ホースラディッシュペルオキシダーゼなどを標識化した抗体を用い,目的の抗原を検出する酸化還元系の検討を行った。アリカリフォスフォターゼを用いた場合は,アミノフェニルフォスフェートを用いた場合が良く,フェニルフォスフェートやナフチルフォスフェートの場合は,電極上に酸化生成物が形成し,電極の劣化が問題となった。この試薬は市販されていないが,今後は,アミノフェニルフォスフェートを合成し,これを,アルカリフォスフォターゼを用いて実験を行っていくこととした。ホースラディッシュペルオキシダーゼの場合は,フェロセンメタノールで酸化還元電流の検出が可能であったが,アルカリフォスフォターゼ/アミノフェニルフォスフェートの方が効率よく補足できた。この他,フェノール系の環境ホルモン物質を電気化学的に直接測定しようと試みたが,特に優れた結果は得られなかった。やはり,上記の酵素反応を用いた高感度化の必要性が確認された。 また,環境評価として,有明海沿岸に生息する魚類を各地点で採取し,その中に含まれるPCB_Sの測定を行った。それによると干潟の生物は通常の魚類よりも低塩素成分のものが蓄積しやすいことがわかった。
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