1999 Fiscal Year Annual Research Report
省エネルギータイヤ用カップリング剤の新製造プロセス-燃費5%削減に向けて-
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11793008
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
高田 十志和 大阪府立大学, 工学部, 教授 (40179445)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 聿男 ダイソー株式会社, 総合開発部, 課長
木原 伸浩 大阪府立大学, 工学部, 助教授 (30214852)
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Keywords | シランカップリング剤 / 省エネタイヤ / ナトリウムポリスルフィド / 金属ナトリウム / 単体硫黄 / 製造プロセス / ジメトキシエタン |
Research Abstract |
本研究では、(A)実用的な省エネタイヤ用カップリング剤製造プロセスを開発すること、(B)ナトリウムポリスルフィド合成反応の詳細を学問的に確立すること、の二つの課題を目標にしている。本年度は、A:実用的製造プロセスの基礎の確立に関して以下のことを明らかにした。 (1)原料・溶媒等の検討、並びに再利用の検討: ジメトキシエタン以外に、THFなど比較的大きなドナーナンバーを有する溶媒が可能である。 (2)反応条件の検討:温度、時間、スケール、雰囲気、濃度: 温度は金属ナトリウムの融点以下で行うことが必須であること、時間は60〜70℃で数時間を要すること、リットルスケールも可能であること、酸素を含まない気流下で行うことなど。 (3)生成物の単離・精製方法、溶媒の回収再利用: 十分に管理された条件で反応を行えば、収率98%で生成物を得ることができるので、特段の精製は必要ないこと、溶媒のジメトキシメタンの90%は回収・再利用可能であり、プロセス的にも環境に優しい反応系である。 一方、B:ナトリウムポリスルフィド新合成法としてこの反応を確立することを目的として、反応のスコープとリミテーション、そしてそのメカニズムについても検討し、以下のことを明らかにした。 (1)反応機構:中間生成物、その構造解析、二次的反応: 未だ十分な解析が困難な状況にあるが、様々な状況証拠から、この反応系は硫化ナトリウムと単体硫黄との反応を用いる従来法と異なり、ナトリウムからの直接電子移動が連続的に起こり、硫黄含有量の小さなナトリウムポリスルフィドが最初に生成し、その後それが単体硫黄と反応してある分布を持ったポリスルフィドに収斂していく系である。 (2)選択的なRS_1R〜RS_6Rまでの合成:仕込み硫黄量と含有硫黄量の相関: 現在検討中であるが、ジスルフィド以外はまだコントロールして合成することは不可能である。
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Research Products
(1 results)